MANAS TRADING

「ファブリック」カテゴリーのブログ一覧

今季の主役はベルベット!

2019.12.11 / tokyo

東京ショールームから、今年最後にご紹介するのは
Morris & Co.(ウィリアム・モリス)の新作『ROUEN VELVETS』と、
イギリスのブランドkirkby design(カークビー・デザイン)が発表した『UNDERGROUND Ⅱ』
共にベルベットを使用した新作コレクションをご紹介します。

まずは先月の東京や大阪のブログでもご紹介した、
モリス待望のベルベットコレクション『ROUEN VELVETS』
東京ショールームではクリスマスのエントランスディスプレイに使用しました。

モリスの代表作の一つである「Fruit」と、
Pure Morris(ピュアモリス)コレクションでも人気を博したデザイン、
「Honeysuckle & Tulip Velvet」のブルーグリーンを基調に、
インド織物のパターンをフロックのような金糸で織りあげた
「Indian Flock Velvet」のフレスコレッドを差し色に加えた
クリスマスカラーのカーテンをご用意。

「Fruit Velvet」の裏地にはMANAS-TEXよりベガを採用し、
「Indian Flock Velvet」の色を引き込みます。
フリンジには同じくMANAS-TEX「カルテットフリンジ」から
色なじみの良いオリーブをセレクト。
合わせるHOULÉS(ウレス)のタッセルから、
PORTA ROMANAのテーブルランプ「Dumpling Lamp」への視線を流れを意識した
コーディネートに仕上げました。

展示期間は年内最終営業日となる12月27日まで。
残り少ない展示期間ですが、ぜひベルベットならではの
奥行きのある色使いを間近でご覧ください。

 

 

さて次にご紹介するのは2013年に発売し
世界的に大ヒットしたカークビー・デザイン『UNDERGROUND』
第二弾となるコレクション、『UNDERGROUND Ⅱ』です。

今作はロンドン交通局とのコラボレーションによって生まれたもの。
1930年代から2000年代にかけて地下鉄や、ロンドンのシンボル的な二階建てバスの
座席や内装に使用されていたアーカイブデザインを再現したファブリックが揃います。

『UNDERGROUND Ⅱ』本国での発売時には、
本物の車両を使って行われたインスタレーションが行われました。
その画像がこちら!

全ての座席に使用されているのは勿論、カーテンから床材、更にはつり革まで
『UNDERGROUND Ⅱ』を使うという気合いの入れよう!
ピンクとミストグリーン、ピーコックで統一されたレトロポップな車内は、
まるでジャック・タチ映画の世界に入り込んだかのようです。

6年前の第一弾では、ヴィヴィッドカラーをアクセントにした印象が強かった
コレクションですが、今作で用いられるのは暖かみのあるペールトーンが主役です。

それぞれの幾何学デザインに合わせ、カットベルベットやモケットなどテクスチャを変え、
手触りまでも考え抜かれた生地は、椅子張りやクッションなどに最適です。
モリスの『ROUEN VELVETS』の滑らかなベルベットとは
また一味違った風合いが楽しめることでしょう。

トレンドである60年代を彷彿とさせるレトロデザインに、
ロンドン交通のグラフィカルなパターンが合致し、絶妙な配色のニュートラルカラーが
加えられることで、見事に「現在」を感じさせるデザインに仕上がりました。

懐かしいけど新しい。
来年に2度目の東京オリンピックを控える 私たち日本人にもどこかフィットしそうな感覚ですね。

さて、来年はどのような年になるのでしょうか。
皆さまにとって、かけがえのない一年になりますよう心からお祈り申し上げます。

 

 

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東京ショールーム 年末年始営業時間のお知らせ

12月27日(金) ~16:00 クローズ
12月28日(土)~1月5日(日) 年末年始休業
1月6日(月) 通常営業

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⇒『UNDERGROUND』第一弾コレクションのブログはコチラ
一部の商品は取り扱いが終了しております。
詳しくはお近くのショールームまでお問い合わせください。

『ROUEN VELVETS』発売と明星大学貴重書コレクション展「ウィリアム・モリス」

2019.11.10 / tokyo

今月11月8日にMorris & Co. (ウィリアム・モリス)より
新作『ROUEN VELVETS』コレクションが発売されました。

2019年2弾目のコレクションは、若かりしモリスが旅したフランス旅行をヒントに、
大聖堂の荘厳で色彩豊かなインテリアからインスパイアされた、
極上のプリントベルベットコレクションです。

コレクション名の「ROUEN (ルーアン)」はフランス ノルマンディー地方の都市名であり、
ゴシック建築の代表作の一つである「ルーアン大聖堂」よりとられたもの。


大司教がまとうローブのように柔らかく深い色合いの真紅。
ダークグリーンやネイビーの重厚な色の中から浮きあがる、
チューリップやハニーサックルの鮮やかなコントラストは、
まるでバラ窓のステンドグラスのような色彩です。

東京ショールームでは現在クリスマスシーズンに向けて、
この『ROUEN VELVETS』のディスプレイを計画中。
その様子はInstagramやブログでも更新予定ですので、ぜひチェックしてみてくださいね!

 

さて、今回はそのウィリアム・モリスに関連したイベントを一つご紹介しましょう。
先日 東京都日野市の明星大学構内にある、資料書図書館にて開催中の
ウィリアム・モリスの展覧会に行ってきました。

ウィリアム・モリスといえば、デザイナー、詩人、社会運動家など多方面にわたって活躍し、
近代英国デザインに大きな影響を及ぼした人物として、現在その功績が広く知られています。
これまでマナトレーディングでは、インテリアファブリックや壁紙などを扱う傍ら、
「アーツ&クラフツ運動」の精神を根幹としたモリス商会と、そのデザインについて、
機会あるごとにご紹介してきました。 (→詳しくはコチラ)


「Strawberry Thief 」 212564

今回の展覧会は、モリスの思想を形にしたもう一つの事業
―ケルムスコット・プレス(私家印刷所)とその出版書籍にスポットを当てたもの。
モリス自らが著作した物語や詩篇、または編纂を手掛けた書物の展覧会です。

明星大学では、ケルムスコット・プレスが出版した書物53書目66巻のうち、
そのほとんどにあたる65巻の書籍をコレクションとして所蔵おり、
その全巻を3期に分けて展示しています。

展覧会では、貴重な書籍の展示だけでなく、
当時ケルムスコット・プレスで導入していた印刷機と同型の活版印刷機や映像資料も視聴でき、
モリスの書物にかける情熱や思想を感じながら、
その美しい装丁をゆっくり鑑賞することができます。


「Pimpernel 」 210386

大の読書家であったモリスは、幼少期から古代神話や中世の歴史書、
建築や社会思想などあらゆる文献を読み漁り、
「美しい書物こそ人々の心の豊かにするもの」と確信していました。

本を編纂するにあたり、モリスがまず参考としたのが主に15世紀ごろの歴史書や聖典の写本。
モリスは文章と挿絵のレイアウトや紙を徹底的に研究し選定、
より美しく読みやすい独自のレイアウトを開発、さらには活字体のデザインまでも行っています。


William Morris Gallery HP 参照

また各章の扉絵や装飾頭文字は、自身で描くだけでなく、
ラファエル前派の代表的な画家であり、生涯を通して友人でもあった、
エドワード・バーン=ジョーンズも数多く手掛けています。

 

さてモリスの追求した「本は美しいものであるべき」という信念は、
今回の展覧会の主役であるこの書籍をもって、大成したといっても過言ではないでしょう。


「チョーサー著作集」

モリスが敬愛した14世紀の詩人、ジェフリー・チョーサーの作品を編纂したものです。
中でも「カンタベリー物語」はその当時の民話や騎士物語や滑稽話など
ユーモアと風刺を交えて綴られており、イギリス中世文学の最高傑作とされています。

1ページごとにモリスのこだわり抜かれたレイアウトと、挿絵が施され、
扉絵に描かれたバーン・ジョーンズによる87点もの木版画が、読む者を次の物語へと誘います。

縁飾りのぶどうはモリスのファブリックや壁紙でもお馴染みのモチーフのひとつ。
物語を読み進めるうちに、芳醇なぶどうや花々の香りが漂ってきそうな、
なんとも贅沢な読書体験ができそうな一冊です。
この著作集は、現在「世界三大美書」のひとつに数えられています。


「Grapevine」 224475

モリスのファブリックや壁紙を選ぶときには、
そんなデザインの背景を考えながら選ぶのも一つの楽しみになりそうですね。

明星大学での貴重書コレクション展は、2019年12月21日(土)までの開催です。
今展覧会では、貴重書の展示だけでなく、
他にも、プレゼント企画なども実施されているようですよ。
モリス好きの方はこれまでとは少し違った視点でモリスの作品をご覧いただけるかもしれません。
ぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか。


「Acanthus 」 216440

展覧会詳細については下記、明星大学のHPよりご覧ください。
⇒明星大学HP 「ウィリアム・モリス —理想の書物を求めて―」

MANASらしく

2019.10.08 / nagoya

9月10日のMANAS-TEX VOL.17発売に続き、10月1日にはSTELLITEから第二弾のCLUB(クラブ)コレクションが発売開始になりました。

MANAS-TEX(マナテックス)については、発刊からこれが17代目ということになります。
マナトレーディングのオリジナルコレクションとして、その時代、その時の空気をデザインや色に盛り込みながら、今日までアップデートされてきたマナテックス。最新のVOL.17については東京ブログのほうで詳しくご紹介していますのでぜひご覧くださいね。

そして、もう一つのオリジナルコレクションSTELLITE(サテライト)は、その折々の旬のテーマで揃えられマナテックスとも相性の良いテイストのアイテムが取り揃っています。
第一弾の「OMBRÉ(オンブレ)」に続き新たなコレクション「CLUB」が加わり、この秋、MANASのコーディネートの幅もぐっと広がりました。
詳しいコンセプトはこちらのページからご覧ください。

写真左のゴールドのファブリックはアマンダ、イタリア製。
経年変化が起きたダマスク模様の壁面を表現したイタリアらしさを感じる織のデザイン。とても上品でいて鈍く光る光沢感はモダンな空間や家具にもよく合います。

右側のプリント生地はタゼッタ、イタリア製。

一瞬にしてアールヌーヴォーの世界観に引き込まれそうな目を惹くデザイン。
きめ細かで上質なコットンサテン地の手触りはとてもなめらかで写真では伝えきれない気持ち良さがあります。
今月中に名古屋ショールームのディスプレイとして登場する予定です。


今回の「CLUB」の撮影は、東京国立博物館の中にある表慶館で行われました。明治42年に開館した日本ではじめての本格的な美術館で、設計は赤坂の迎賓館なども手がけた片山東熊氏によるものです。
こういったクラシカルで重厚な空間にも、自然と調和するCLUBコレクションのラインナップは本物を求める方必見です。

そして発売早々、お客様の注目を集めているのが写真中央にかかるマナテックスのシアーフルレット

裾に広がるお花の刺繍達が可愛らしさを演出しますが、グレージュやモーヴ色などニュアンスのある大人色の刺繍糸で甘くなり過ぎないところが人気の魅力です。
いろいろなドレープ生地と相性が良いので、あれこれ組み合わせをお試しくださいね。ちなみに写真のドレープは「スパングル 5」(新色)にカデンツァ 1(新作タッセル)がコーディネートされています。

長い年月を経て培われてきたMANASらしさと「今」が融合した新しいコレクション。
ぜひ最寄りのショールームでご実感ください。

 

MANAS-TEX vol.17 Dēbut !

2019.09.18 / tokyo

マナトレーディングの国内在庫コレクション、
MANAS-TEX (マナテックス)の新作が9月10日に発売されました。

 

volme.17 となる今作のテーマは、
「Sense of refinement through elegance.」
― 究極の優雅さとは何か。

これまで幾度となく繰り返されてきたこの問いに対する、私たちの今の答えがここにあります。

現在社会に溢れる様々なノイズから解き放たれ、自宅で寛ぐひととき。
その空間に、静かに流れる旋律のような安堵感。
暖かい陽差しを室内にやさしく招き入れる、カーテンの色と質感。

私たちの使命である「人の美しい生活を創造する」という原点に立ち返ったとき、
究極の優雅さとは、いたってシンプルなものでした。

そこには日々移り変わる流行を超越した、揺るぎのない価値があります。

今回力を入れたのは、新たに加えられたデザインは勿論、
長年愛されてきたベストセラー商品の「新色」にも着目。
MANAS-TEXの基盤となるアイテムをアップデートすることで
「マナトレーディング」というブランドイメージを
より確固たるものとして、発信して参ります。

 

先日東京ショールームにて、プロユーザー様向けに開催された新作展示会には
3日間で延べ750名ものお客様にご来場いただきました。

東京ショールームのディスプレイを全てMANAS-TEXでしつらえ、
いつものショールームの装いを変えて、皆さまをお迎え致しました。

今回新作のディスプレイと合わせて、お客様の目を楽しませていたのは、
美しい季節の花々とスイーツ。
お花のアレンジメントは、マナのInstagram企画「#花とモリス」でも
コラボレートしているウヴル様に監修いただきました。

 

スイーツでは、アルパカのキャラクターをアイシングしたクッキーをご用意。
実はこのアルパカ、新作ファブリック「アルパカ」のキャラクターを
模して特別に作製いただいたもの。


オリジナルのファブリックは子供部屋にぴったりの可愛らしいデザインです。
カーテンやクッションにいかがでしょうか?

お伝えしきれなかったディスプレイはInstagramや、
各ショールームでもエリアを拡大して展示しておりますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

お越しいただいた皆さま、誠に有難うございました。

 

さて、MANAS-TEXの新コレクション発売を終えて一段落。 …ではありません!!
早くも海外ブランドの2019年秋冬コレクションの発売が続々と控えています。

よりパワーアップしたMANAS-TEXとともに、
マナトレーディングがご紹介する、美しいファブリックの世界にご期待ください!

※ご紹介した写真の中には一部未発売の商品も含まれます。

 

MANASのイベント

2019.08.31 / nagoya

MANASでは、時々セミナーやワークショップなどを開催しています。

先月名古屋では『大塚あや子さん「モリスと刺繍の世界」セミナー』を開催いたしました。HPのNewsをはじめInstagramブログから告知しておりましたがお気づきになられましたか?

内容や規模は都度異なりますが、興味はあるけれど参加する勇気がないな…という方のために少しだけイベントの様子をご紹介したいと思います。

今回のセミナーテーマは「モリスと刺繍の世界」。発売になったばかりのMORRIS&Co.「ARCHIVE V – MELSETTER COLLECTION」には刺繍のデザインが多く収録されていることから、刺繍作家としてご活躍されている大塚あや子さんをお迎えし、モリスの魅力を刺繍作家の目線で語っていただきました。

例えばモリスがデザインの仕事を始める原点となった20代のフランス旅行で目にしたものとは!?
‛ラスキン’レースと呼ばれる刺繍技法とモリスとの意外な繋がりとは!?
などなど実際に画像や写真を交えて「モリス」と「刺繍」について学びを深める内容が凝縮されていました。「MORRISWORLD.jp」では、セミナーでは伺えなかった大塚あや子さんへのインタビューを掲載しています。あわせてお楽しみくださいませ。

続いてこのコレクションのインスピレーションの元となった刺繍作家のモリスの次女、メイ・モリスのエピソードと共に、MANASより代表的な生地をご紹介。(メイ・モリスの関連エピソードはこちらの東京ブログで詳しくご紹介しています)

そしてセミナーの最後は、実際に生地に触れながらご覧いただける自由時間をもうけました。
この時は大塚先生のお人柄のおかげもあって、モリスの刺繍生地を囲んで参加された皆様とのご歓談の輪が広がりました。
いつものショールームとはひと味ちがったショールームならではのイベント。またこういった愉しい企画を考えていきたいと思いますので、その時はぜひチックしてみてくださいね。

今回はMANAS Mail Information(メールインフォメーション)からは告知の配信はしておりませんでしたが、MANASからの耳よりなおすすめ情報をお届けしています。もしまだの方がいらっしゃいましたらぜひこの機会にご登録くださいませ。(ご登録はこちらへ★


カーテン:Newill Embroidery 236824
壁紙:Melsetter (3m Stocked) 216706
額装(壁紙):Seasons by May 216685

こちらはMELSETTER COLLECTIONでコーディネートした最新のディスプレイです。
左手前の額装はカットした壁紙を額に挟みました。とてもお手軽で簡単なアートになります。

MANASショールームはこれから秋にかけて新しいディプレイが続々と登場していきます。
ぜひ最寄りのショールームへお出かけくださいね。


クッション:左からBrophy Embroidery 236814Newill Embroidery 236824Mistletoe Embroidery 236817

秋を彩るファブリック特集

2019.08.19 / tokyo

毎日暑い日が続いていますね。
残暑はまだまだ続きそうですが、暦の上では立秋。
秋の装いを始める季節を迎えています。
今回は一足お先に秋を感じさせるファブリックをご紹介します。

カーテンはもちろん、クッションやテーブルクロスなど季節使いできる小物に加工して、
秋の風流を楽しんでみても良いかもしれません。

 

まずご紹介するのは、MARK ALEXANDER(マーク・アレクサンダー)

シンプルながらも洗練された色とデザインはまさに、
自然素材のもつ美しさを最上級に活かすためにあります。

 

デザイナーのマーク・ブッチャーと、アレクサンダー・マッケンジーが
デザインのインスピレーションとして度々取り入れてきたものの一つが、日本の古美術。

今年発売されたコレクション、『SHIBUI』『MODERNA』は、
どこからか澄んだ風鈴の音や、虫の音が聞こえてきそうなデザインです。


タペストリーのように使用されている生地は、ポルトガル語で「月」を意味する「Lua」
そのデザインは水面に映る月の儚さを描いています。
藍色や柿渋色、木綿色や磨き上げられた古木のような色など、
日本人にとって昔から変わらぬ郷愁を形にしたかのようなデザインは見事、の一言。

 


実は隠れたファンが多いこのブランド。
マーク・アレクサンダーが世界中の産地からよりすぐった
コットンやリネンなどの素材が生み出す、質感の豊かさと可能性に驚かされます。
一度その生地に触れた方は、その魅力に憑りつかれてしまうことでしょう。


ファッション界のハイブランドにも用いられる一級品の素材で紡がれた生地は、
肌に触れるファブリック小物 ― クッションやベッドリネンなどにもおすすめです。

 

 

次にご紹介するのは、Backhousen (バックハウゼン)
オーストリアで170年続く老舗のファブリックブランドです。

このブランドの歴史は、まさにオーストリアの歴史とともにあります。
バックハウゼンは1849年創業、
時のヨーロッパで絶大な権力を誇っていたハプスブルク家御用達の
ファブリックメーカーとして、オペラ座や国会議事堂など
多くの公共施設に生地を提供し、確固たる地位を築きます。

19世紀末には、ウィーン分離派の芸術家たちによって発足した
芸術運動「ユーゲントシュティル」に参加、
その中心人物であるヨーゼフ・ホフマンやコロマン・モーザーによって設立した、
「ウィーン工房」のファブリックとカーペット製品のほとんどを手掛けました。

そのため今日でも、ホフマンらが残したデザインの貴重なアーカイブは
バックハウゼンが保管しています。

 

さて、今年発売されたバックハウゼンのコレクションは、
そのアーカイブからの復刻デザイン。
「ウィーン工房」の発足メンバーの一人であり、優れたプロダクトデザイナーであった

DAGOBERT PECHE(ダゴベルト・ペッヒェ)のコレクションです。

 

DAGOBERT PECHE (1887~1923)

 

今回東京ショールームで間仕切りのカーテンとクッションを製作したのは、
「VIOLA」と「SOMMER」。
朝顔やアザミ、チューリップなど花々のシルエットが、
暗闇の中で踊り輝くように広がります。

 


ダイヤ柄の生地「VINCENT」も、
空間を引き締めるスパイスとして小物使いにお勧めです。


一見バロック調の優雅なデザインに、ブラックやビビッドなパープルやピンク、
コバルトを用いることで、
上品ながらもアヴァンギャルドな雰囲気を併せ持つ、
唯一無二のデザインに仕上げています。

 


『HOFFMANN Ⅱ』コレクション

その他にもバックハウゼンではヨーゼフ・ホフマンをはじめとする
19世紀のモダンデザインを、
現代でも使いやすいカラーバリエーションで展開しています。

 

今年、オーストリアと日本との外交樹立150周年を記念して
大規模な美術展をはじめとするイベントが各地で催されています。
先日まで東京の国立新美術館にて開催されていた「ウィーン・モダン展」では
まさにバックハウゼンが創業した時代 —
アート・建築において目覚しい近代化が進んだ、19世紀末から20世紀初頭の
コレクションを中心とした、過去最大規模の展覧会となりました。

8月27日からは大阪の国立国際美術館へ巡回予定
お近くの方はぜひ足を運ばれてみては。

 

芸術の秋。
普段とは違うアーティスティックなデザインを、
インテリアに取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

刺繍が織りなす「地上の楽園」MELSETTERコレクション

2019.07.15 / tokyo

MORRIS & Co.(ウィリアム・モリス)より新作コレクションの
『MELSETTER(メルセッター)』が発売されました。
昨年の『Pure Morris North』を除けば、メインコレクションとしては約2年ぶりの新作です。

これまでのMORRIS & Co.の作品を見ている方からすると、
いつものモリスらしくないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

それもそのはず。
今回のコレクションは、アーツ・アンド・クラフツ運動の
重要な人物の一人であったウィリアム・モリスの娘、
そして1900年代初頭の刺繍作家の第一人者でもある、
MAY MORRIS(メイ・モリス)の作品にフィーチャーしたコレクションであるからです。

このコレクションはMORRIS & Co.の新たなデザインレンジを広げると共に、
あまりにも著名であった父、ウィリアム・モリスの陰に隠れてしまった、
一人の女性の功績にスポットライトを当てるものとなりました。

 


William Morris           May Morris

ウィリアム・モリスといえば、デザイナー・詩人・社会思想家、そして
アーツ・アンド・クラフツ運動の創設者として、
近代史に大きな影響を与えた人物として有名です。
これまでもマナトレーディングでは機会あるごとにその功績をご紹介してきました。

メイは父モリスの才能を一身に受け継いだ女性であったと言えるでしょう。

1860年、画家を志していたウィリアム・モリスは、
絵の師匠的立場であったダンテ・ガブリエル・ロセッティの紹介で
アートモデルのジェーン・バーデンと出会い、結婚します。

1862年3月。メイ・モリスは父モリスが28歳の時に生まれました。
メイには一歳年上の姉ジェニーがいましたが、
幼少期からてんかんの病を抱えていたため、両親の注意は自然と姉へ向けられます。

さらにロセッティとジェーンの関係をめぐって、両親の仲がこじれていくのを
幼いながらも感じ取っていたメイは、寂しさから逃れる為にスケッチや刺繍にのめりこみます。
刺繍の名手でもあった母、ジェーンの影響も大きかったのでしょう。
メイは次第にその才能を開花させていきました。


,    メイが15歳の頃に描いたケルムスコット・マナー

メイは父であるモリスを大変慕っていました。
彼女自身がアートのスキルを身に付けることで、
将来父の事業をサポートをしたいと考えていたようです。

国立芸術研究所(現:ロイヤル・カレッジ・オブ・アーツ)にて
芸術と刺繍を学んだメイは卒業後、モリス商会にて父のアシスタントを務めます。

実は、鳥を描くのが苦手であったモリス。
その父に代わって一部の作品において、鳥のデザインをしていたのはメイだったのだとか…

「Bird & Anemone」 design by William Morris

彼女が最初にデザインした「Honeysuckle(ハニーサックル)」は、
現在もMorris & Co.を代表するデザインの一つです。

「Honeysuckle」 design by May Morris

1885年、23歳となったメイは商会の刺繍部門のディレクターとなりました。

 

,  ちなみに、女性の社会進出が困難であったこの時代、メイの姿は当時の女性たちにとって
,   憧れの存在であり、先進的な女性像の一つであったと言えます。
,  後年、モリスの死をきっかけに商会を離れたメイは、
,  フリーランスの刺繍作家として活動し、デザインの幅を拡げると共に、
,  モリスの社会運動を引き継ぐ形で、女性の為のデザイン産業組合(Women’s Guild of Arts)を
,  発足させ、イギリス各地やアメリカで講義を行うなど精力的に活動し、
,  アーツ・アンド・クラフツ運動において重要な人物の一人となります。

 

さて、ディレクターになったメイと、モリスの弟子であったジョン・ヘンリ・ダールによって、
刺繍はモリス商会のビジネスとって一つの柱となります。

 

メイの代表的なデザイン「Fruit Garden」です。
このモチーフはタペストリーやカーテン、本の装丁などにたびたび用いられました。
(現在はFruit Garden 名の商品はありません。)


ケルムスコット・マナーのベッドには、
このFruit Garden のモチーフと、モリス初期のデザインである「Trellis(トレリス)」
垣根格子や鳥を基にした美しいカーテンを作成しています。
これは現在「Kelmscott Tree(ケルムスコット・ツリー)」としてパターン化され、
ハニーサックルと共にマナの在庫品コレクションでも不動の人気を獲得しています。

 

さて、今回のコレクション『MELSETTER(メルセッター)』は、スコットランドのホイ島にある
メイの友人ミドルモア氏の邸宅、メルセッターハウスの為に
作成された刺繍作品を基にしたコレクションです。

メインはこの家のベッドカバーからインスピレーションを受けたデザイン、
「MELSETTER(メルセッター)」
オリジナルは刺繍のデザインですが、
今回のコレクションではフレスコ画調のプリント生地と壁紙で表現。
Fruit Gardenをベースに、果樹の周りを飛び交う鳥や花々で溢れる幸福感に溢れたデザインです。


壁紙ではオリジナルデザインを忠実に再現しており、
バラの蔦は垣根を越えて伸び広がり、足元には小さな野ウサギも…!

 


こちらは「Seasons by May Embroidery(シーズンズ バイ メイ エンブロイダリー)」
ファイアスクリーン(暖炉用のついたて)用に、
四季をテーマに連作で発表した一つ、「Spring and Summer」からインスパイアされたデザイン。
鳥やチューリップは複数色の糸で刺繍され、
グラデーションを帯びて立体的に表現されています。

 


こちらは「Theodosia Embroidery(セオドシア・エンブロイダリー)」
ミドルモア氏の妻であるセオドシアの名前が付けられた作品です。
フォレストグリーンのベース生地にパーシモン・ゴールド・アクアブルーなどの光沢糸で
刺繍された花々は、上品かつスタイリッシュな雰囲気を演出します。

 


「Theodosia Embroidery」と一緒に施工されているグリーンの壁紙は
メイのキルト刺繍のデザインからインスパイアされた「Middlemore(ミドルモア)」
絵本の挿絵に登場しそうな可愛らしい動物たちが描かれています。
淡い配色のものは、子供部屋にもおすすめです。

 

後に芸術学校で教鞭をとるほどであったメイの熟練した技術と、
魅力的なデザインが堪能できるコレクションに仕上がりました。
美しい刺繍の数々はずっと見入っていたくなってしまうほど!

これらの生地を用いて作られたカーテンやベッドカバー、テーブルクロスに
囲まれたメルセッター・ハウスは実に見事であったことでしょうね。

東京ショールームでは、7月下旬からメルセッターコレクションのディスプレイを展示します。
ディスプレイの写真はInstagramでも公開予定。
メイ・モリスが刺繍で表現した「地上の楽園」を、
ぜひお近くのショールームにてご覧ください。

モリスプチセミナーのご案内@大阪ショールーム

2019.07.14 / osaka

先日、満を持して発売したMORRIS & Co. の新作コレクション「ARCHIVE V ‒ MELSETTER」。
ずばり今回の見どころは、美しく繊細な刺繍生地の数々です。
 

アーカイブシリーズ5 作目となる今回のコレクションは、
モリスの次女、メイ・モリスが残した刺繍デザインからインスピレーションを受けて作られました。
刺繍とプリントの【Fabric】、壁紙の【Wallpaper】、
椅子張りにも使える【Weaves】の3冊で構成されています。

大阪ショールームではこの度、新作アイテムのご紹介と、ウィリアム・モリスを父に持ち、
彼女自身も類まれなるオ能に恵まれた、 メイ・モリスの生涯をお話するプチセミナーを開催いたします。
期間中は、新作の生地や壁紙を使った特別展示もご覧いただけます。
皆様のご来場をお待ちしております。

日 時  7月25日(木)、8月8日(木)、15日(木)、21日(水)、28日(水)
各回10:00~(所要時間:約30分)

会 場 マナトレーディング 大阪ショールーム
大阪市中央区本町4-4-25 本町オルゴビル1F
*定員 各回4名
*申込方法 FAXまたはメールにてお名前、ご住所、お電話番号を
ご記入の上お申込みください。(参加費無料)
■FAX 06-7669-1981
■Mail info.osaka@manas.co.jp
*申込締切 各開催日の2日前まで
*お問い合わせ 大阪ショールーム TEL 06-6251-1970
*注意事項 お申込み受付の連絡は順次メールまたはFAXでご連絡
させていただきます。

プチセミナーにご参加のお客様には、モリス壁紙のオリジナル栞をプレゼントいたします。
(ノベルティは数量限定のため無くなり次第終了となります。)

刺繍いろいろ

2019.06.30 / nagoya

MANASのショールームには想像を超える数々のデザインやアイテムが存在していますが、そんな中で人気のアイテムのひとつに「刺繍」があります。

「刺繍」を英語で表記すると「Embroidery」(エンブロイダリー)。
刺繍のあるファブリックには、名前の中に「Embroidery」とついていることもよくあるんですよ。

例えばこちら、Japonica Embroidery 7850-03ROMO

椿のお花の部分にご注目を。

ボタニカルアーティストとして名を馳せたAlfred John Wise(アルフレッド・ジョン・ワイズ)(1908-1985)が描いた絵画をもとに、忠実にお花の表情を刺繍で表現しています。

そして、
前回ご紹介したELITISのクッションにはこんな刺繍柄も。


貝殻が置かれた額装は、昨年開催したお雛様イベントの際にトレーの代わりにしたものです。
現在はモリスコーナーにディスプレイしています。
この生地は?とよく尋ねられるんですが、実はこれ、SandersonPressed Flowers 236554
カーテンに仕立てると大きなボーダー柄になっているので驚かれます。

以前はこの刺繍の部分だけを使ってクッションに仕立ててディスプレイしていました。

刺繍といえば、MORRIS&Co.からも定番のように、いくつものEmbroideryコレクションが発表されています。

Mary Isobel 230339(写真左)
刺繍作家さんの名前がつけられた「マリーイザベル」は、刺繍の雰囲気をそのままプリントに模した生地(Mary Isobel DMCOMA204)まで発表されています。

名古屋ショールームの展示カーテンの中でひと際目を惹くのはArtichoke Embroidery 234543
写真は色違いの234545です。

そして今週7月5日には新らたなコレクションMORRIS ARCHIVE V  MELSETTERが発売になります。


今度の見どころはなんといっても刺繍の作品が多いこと。
ウィリアム・モリスを父に持ち、彼女自身も類まれなる才能に恵まれたモリスの次女、メイ・モリスの刺繍デザインからインスピレーションを受けた作品が収録されています。

名古屋ショールームでは、刺繍作家 大塚あや子さんによる「モリスと刺繍の世界」と題したお話と実際に新しいコレクションをご紹介するセミナーを7月30日に開催することになりました。
気になるセミナーの詳細はHPのニュースをご確認くださいませ。

7月5日(金)にはこの新しいコレクションがMANASのHPでも解禁になります。
是非お楽しみください。

病気の子どもたちとそのご家族へ

2019.06.25 / osaka

マナトレーディングでは、以前より
ドナルド・マクドナルド・ハウスへカーテンや壁紙のご提供をさせていただいております。

ドナルド・マクドナルド・ハウスとは、自宅から遠く離れた病院に入院しているお子様と、
そのご家族のための滞在施設です。
「第二のわが家」をコンセプトに、企業や個人の方からの寄付金や、
ボランティアの皆さまにより運営されています。

この度、国立循環器病センターの移転にともない、大阪府吹田市での13年間のお役目を終えて、
北大阪健康医療都市(健都)へ移転されることになったハウス。

新しく建設された施設の壁紙とカーテンを、ご提供させていただきました。


玄関を入ると、まずイメージキャラクターのドナルドが迎えてくれます。
レース:セントラルパーク5(廃番)

広くて開放的なダイニングキッチンには、ボーダー柄のレースカーテンを。

レース:セントラルパーク18(廃番)

絵本やおもちゃが置いてあるキッズスペースには、
sion(サイオン)の「Little Fox」の壁紙とカーテンを納品させていただきました。

宿泊できるベッドルームは、20部屋あります
ルームナンバーの代わりに壁付けされた、
ミッフィーでおなじみのディック・ブルーナ氏の絵が素敵でした。

お部屋の中は大きな掃き出し窓から光が入り、とても明るかったです。
ドレープとレース、そしてアクセントクロスの色を揃えてコーディネートしました。


ドレープ:チャウダー1103(廃番) 
レース:シャーベット72(廃番) 壁紙:scion Sula 111321

写真のカーテンはグリーンですが、色違いでピンク、ブルー、イエローのお部屋もございます。
ハウスのご利用者様に、少しでも居心地良くお過ごしいただければ幸いです。