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「ファブリック」カテゴリーのブログ一覧

待望の第2弾!

2018.07.29 / osaka

ウィリアム・モリスの新シリーズ【PURE MORRIS】より、
待望の第2弾が発売になりました。

今回のコレクションは、1871年にモリスが訪れたアイスランドのことを記した
旅日記がインスピレーションの源になっております。

アーカイブデザインをもとに、刺繍やグリッター、メタリックなどのテクニックと、
ニュートラルなカラーで新たに表現された生地と壁紙がラインアップ。
ショールームのディスプレイも一新いたしました。


左:Pure Bramble Embroidery 236622
右:Pure Honeysuckle &Tulip Print 226481


左:Pure Arbutus Embroidery 236620
右:Pure Honeysuckle & Tulip Embroidery 236650


左:Pure Scroll Embroidery 236613
右:Pure Brer Rabbit Weave 236628

リネンなどの天然素材をベースにしたコレクションは、
今の暑い季節見た目にも涼やかです。

コレクションの詳細は、下記特設サイトよりご覧ください。
→→→ PUREMORRISNORTHANDKINDRED

しばらくの間ディスプレイを充実し、皆さまのご来場をお待ちしております。

LESS is MORE ! ― 2018年新作×トレンド ― 後編

2018.07.10 / tokyo

今年のトレンドキーワードから2018年春夏コレクションをご紹介している
東京ショールームブログ、後編です。
前編では20世紀初頭ドイツで開校した建築・アートの教育機関バウハウスをご紹介してきました。
今回はもう一つのトレンドキーワードである民族的な文様や装飾をモチーフにした
アフリカンテイストをご紹介します。

 
アフリカの赤土や民芸品、ペイントを彷彿とさせるデザインも今年のトレンドの特徴です。
その根本にはラスティック― 自然本来の素朴な風合い ― を空間に取り入れるというのも
トレンドを語るキーワードとして外せません。

ZINC 「GERONIMO」コレクション
ZINC(ジンク)の発表した新作コレクションは「Feeling Nuture – Unplugged Life」
都会の喧騒を離れ、自然界にある美しい色合い、大地や太陽の力強さを五感で感じる寛ぎの空間
をテーマにジンクらしい洗練されたデザインを提案しています。


これまでセレブリティの生活を思わせる都会的でグラマラスなデザインを
コンセプトとして展開してきたジンクが、
このようなラスティックなコレクションを発表してきたということは、
やはり世界の求める快適な空間についての考え方も変わってきているということでしょうか。

簡素で無駄なものが一切ない。

自分を解放し最高にリラックスできる空間とは意外とシンプルなのかもしれません。
これさえあればなにもいらないと思える何かと共に暮らす、ということは最高の贅沢ですよね。

これらのコレクションも、「Less Is More」―人間の根本にある自然への憧憬を追及した
一つのカタチであると言えます。
それはミースと同年代を生きた、ル・コルヴィジュエが晩年を過ごした
カップ・マルタンの休暇小屋にも同様の思想を見ることができるでしょう。


KHROMA 「EARTH」コレクション
最後にクロマの新作壁紙『EARTH』コレクションでは、コレクション内をNORTH(北)とSOUTH(南)のテーマに分け、
NORTHでは森や水を連想させる透明感のある寒色系のペールトーンカラーを、
SOUTHでは土や陶器・トタンなどのマテリアルを力強く表現した
ミネラルカラーを中心に集めるなど、色とデザインを対比させるユニークな構成に。

 

クロマからは他ブランドのファブリックとも合わせやすい3つの異なるコンセプトを持った
3つのコレクションが発表されています。


さて、今回はトレンドに沿って2018年春夏コレクションを少しだけご紹介致しました。
今回ご紹介したブランド、コレクションだけではありません!
2018年春夏コレクションのトレンドについてはInterior Library内のプレイリストからも
ご覧いただけます。

そして7月には待望の「あの」ブランドからも新作が発表される予定です。
ご紹介しきれなかった新作も合わせて、ぜひお近くのショールームにてご覧下さいね!

・LESS is MORE !― 2018年新作×トレンド ―前編 はコチラ

ウィリアム・モリス展 @アサヒビール大山崎山荘美術館

2018.06.20 / osaka

京都で開催中の『ウィリアム・モリスーデザインの軌跡』展に行ってきました。


会場は、100年ほど前に実業家・故加賀正太郎氏の別荘として建てられた洋館を修繕し、
1996年に開館したアサヒビール大山崎山荘美術館。
当日はあいにくのお天気でしたが、趣のある外観に期待が膨らみました。


今からおよそ160年前のイギリスで生まれたモリスのデザインの数々。
当時のイギリスは、産業革命によって粗悪な品が大量生産されていた時代でした。

美しく価値のあるものは手仕事によって生み出されるという信念と、
生活の中にそれを取り入れることを理想としたモリスは、
室内装飾にはじまり書物や文字など多岐にわたって多くのデザインを手がけました。

今回の展示に集められたのは、
モリスがデザインした壁紙、テキスタイル、椅子、出版物など、計56点の作品。


GARDEN TULIP(ガーデンチューリップ)


BRER RABBIT(ブレアラビット)

作品の中には、今も生地や壁紙として作り続けられているものも沢山見られました。

当時はハンドプリントのため高級品で、
一部の富裕層にしか手の届かなかったモリスのデザインですが、
技術の進歩により高いクオリティでの量産が可能になりました。
今こうして世界中で愛されるようになったことを一番喜んでいるのでは
きっとモリスではないでしょうか。

モリスの想いは現在も受け継がれ、新たな魅力で人気の【PURE MORRIS】シリーズ。
まもなく待望の第2弾が発売になりますので、ぜひそちらもお楽しみにお待ちください。

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ウィリアム・モリス -デザインの軌跡
開催期間: 2018年4月21日(土)~7月16日(月・祝)
場所: アサヒビール 大山崎山荘美術館
〒618-0071 京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3
展覧会WEB: http://mimt.jp/beautiful/
詳細情報はWEBでご確認下さいませ。

JR、阪急の最寄り駅からは無料の送迎バスが出ております。

時代を超えて色褪せない魅力を持つモリスのデザインを楽しみに、
ぜひ美術館へ足を運んでみられてはいかがでしょうか。

 

イメージボード展示しています@nagoya

2018.06.18 / nagoya

1月に発表された2018年の春夏コレクションも、この6月ですべて発売日を迎え、ショールームでは新作サンプルが一堂にご覧いただけるようになりました。

そして名古屋ショールームでは、期間限定でブランドのイメージボードを展示しています。

60㎝のフレームの中の世界

それぞれのブランドの世界観や特徴がぎゅっと詰まったイメージボード。
どなたが見ても一目で違いがわかると思います。
ぜひこの機会にショールームへ足を運んでご覧になってみませんか。

期間中はご要望あれば簡単なご案内もいたします。

展示期間 6月30日(土)まで。
場所 名古屋ショールーム

LESS is MORE ! ― 2018年新作×トレンド ―前編

2018.06.11 / tokyo

トレンドってどうやって生まれるの??

ファッションやインテリア誌で必ず特集される「今年のトレンド」。
一体それって誰が決めているんだ!と疑問に思った方も少なくないのでは。。

マナトレーディングInstagramより

今年のインテリアの特徴は、ミラノサローネでも大きな話題となり、
4月に発売された「ELLE DÉCOR」の表紙を飾ったデザインデュオ
スタジオpepeの空間構成がまさに象徴的といえるでしょう。

studiopepe official Instagramより

幾何学的なアイコンを空間に大胆に取り入れ、
カラーはマットで柔らかなペールトーンをベースに、
深みのあるカラーやゴールドをアクセントに使用することで
空間により立体的でリズミカルなコンポジションを生み出しています。

studiopepe official Instagramより

さて、今年のインテリア界のトレンドはあるムーブメントが発端になっているようです。
1919年に開校し現在のモダニズム建築やアートに多大な影響を与えた
ドイツのバウハウスが2019年に設立100周年を迎えるにあたり、
その創立者であるグロピウスやミース・ファンデル・ローエが提唱した構成主義を
現代的な観点から再解釈したユニークなデザインが盛り上がりを見せています。

 

Less Is More. :より少ないことは、より豊かなこと。

これは「本当のモダンとは何か」を追求したミースが最後にたどり着いた答えでした。
シンプルでありながらもエレガントで人を飽きさせない。
球・三角・四角、曲線の柔らかさ・力強く洗練された直線といった造形が生み出すリズム、
そして素材のもつ温度と色が感情に与える効果。

これらの無限の組合せを極限まで研ぎ澄ませること。
そこに究極のデザインである事を、
ミースはバルセロナオリンピックで設計したドイツパヴィリオンで証明しました。


RUBELLI 『IN TECHNICOLOR』
イタリアのRUBELLI(ルベリ)の新作は、ルベリならではの気品のある
クラシックな織りの花柄と今年のトレンドを意識したニュートラルから
ビビットなカラーまで豊富なカラーバリエーションが特徴です。
コレクションのイメージショットからもやはり、
空間全体のコンポジションを意識したコーディネートが伺えます。

 
RUBELLI 『IN TECHNICOLOR』
ティファニーブルーやライムなど明度の高い色をよりエレガントに使いこなすのが
今年のルベリのイチオシ。
コンテンポラリーな空間の中にあえて深みのあるクラシックなデザインを
スパイスとして取り入れるのが、粋なイタリアらしいコーディネートですね。

HARLEQUIN 『ENTITY』
こちらはイギリスのHARLEQUIN(ハーレクイン)から発売された、『ENTITY』。
同じくバウハウスで教鞭をとったパウル・クレーやカンディンスキーの絵画を
オマージュしたかのようなコンテンポラリーなデザインが目を引きます。


HARLEQUIN『ZAPARA』
さらにハーレクインから発表されたもう一つのコレクション『ZAPARA』では
南米の動植物や民族的なモチーフをイキイキとしたタッチで表現しています。

じつはこのようなトライバル柄も今年のトレンドの重要なキーワードなのです。

次回の東京ショールームブログは2018年新作コレクション紹介の後編!
もうひとつのキーワードについてご紹介します。

【The Story】vol.5 ジム・トンプソン(後編)

2018.02.14 / tokyo

昨年9月より6回にわたり毎回ひとりの人物を取り上げ、ブランドにまつわるストーリーを
東京・大阪・名古屋のショールームブログよりリレー形式でお届けしています。

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【The Story】第5回目後編は、“Jim Thompson (ジム・トンプソン)”
現在このブランドを支えるふたりの若きクリエイターたちのお話。

◆Jim Thompson―Ou Baholyodhin(ウー・バホリヨディン)―

こちらのビシッときめた男性はOu Baholyodhin(ウー・バホリヨディン)。
現在ジム・トンプソン社のクリエイティブディレクターを務めています。

1966年にタイ・バンコクで生まれ、ロンドン大学では建築学を専攻、
その後、フィレンツェでテキスタイルを、英キングストン大学にて家具・プロダクトデザインを習得。

卒業後はロンドンで家具デザインのスタジオを構えると同時に、国際的なコンペティションで次々と賞を受賞するなど、
デザイナーとしてのキャリアを華々しくスタートさせます。

ちょうどそんな時期、インテリアデザインコンサルタントとして携わったプロジェクトがジム・トンプソン社のもので、
展示会の家具・デザイン・ブランディング・マーケティングをコンサルタントとして統括するポジションに従事しました。

2013年からはジム・トンプソン社のホームファニシング部門のクリエイティブディレクターに就任しますが、
バホリヨディンは、自らをテキスタイルデザイナーとは考えていません。
多くの優れたデザイナーがそうであったように、自分が受けた(または見る側に与えたい)インスピレーションを
どう表現するかに、特定の媒体を必要とはしていないからです。
つまり、重要なのはどのようにファブリックが使われるのかという最終スキームを把握すること。

Instagram@jimthompsonfabrics

2016年の来日インタビューでも、デザインすることについてこのように語っています。
「家具からインテリア、商業施設のデザインやパーティ、テーブルウェアまでさまざまな手段をとおして
デザインを創造することの変化と実験は、とてもエキサイティングな作業なんだよ!」

そんなバホリヨディンのデザインはタイの精神性と西洋のエッセンスを融合させたリッチで上品なデザインが魅力。
それはまるでジム・トンプソンが現代に甦ったような感動を覚えます。
 
2014年「Arun」
熱帯性気候のタイでは雨季になると、ひと月の半分が雨になります。
ひとたびスコールが来れば人々はそれぞれの家屋に戻り、動物たちは大きく茂った木陰に身を潜ませ、
人も動物たちもただ 熱帯雨林に降り注ぐ雨の音と雷の轟きに耳を澄ませる静寂の世界。

そこには自然への畏敬、仏教における調和の世界が生まれます。


2017年『Floriental』コレクション                2012年『Spotlight』コレクション

やがて長く静かな雨季が明ければ、喜びの収穫期が訪れます。
絢爛の仏教寺院や宮廷に供えられる色とりどりの果実に、色鮮やかな絹で着飾られた仏僧や仏像たち。
市街には色が溢れていたことでしょう。
そんな陰と陽が織りなす伝統の中に生きる、色やモチーフを大胆に取り入れ、
常にその時代にフィットした絶妙なバランスで見事なデザインに仕上げるのがバホリヨディンの流儀。
それはかつてトンプソンがタイを訪れ初めて目にした光景の感動をそのまま、現在に再現させたかのようです。

 
2017年『Floriental』コレクション

そんなバホリヨディン率いる2018年新作コレクションは、『EVERY COLOUR UNDER THE SUN』。
タイシルク商会でシルクの販売を始めてから60周年という節目の年にちなんで、改めてシルクの美しさを再認識し、
これまで以上にジム・トンプソン氏への敬意を込めたコレクションに仕上がっているのだそう。

 
『EVERY COLOUR UNDER THE SUN』コレクション    『Bardo』コレクション「Sagano」

そして2018年の新作で注目すべきはベルギーの素晴らしいデザイナーであり、「色の魔術師」との異名をもつ
Gert Voorjans(ガート・ボージャン)とのコラボレート作品!
これまでのジム・トンプソンのデザインにはなかったような新たな世界観を展開しています。


Instagram@jimthompsonfabricsより

同郷のファッションブランド、ドリス・ヴァン・ノッテンの旗艦店のデザインを手掛けるなど、
インテリアデザイナーとして世界的に活躍するボージャンと、バホリヨディンは長年の友人だそう。
ボージャンのどこかゴシックでアーティスティックなデザインと、
オリエンタルなジム・トンプソンが織り成す化学反応をぜひお楽しみください。(※1)

 
「Melusine」3689/03             「Aeneas」3683/01

◆ No.9 Thompson ―Richard Smith リチャード・スミス―

続いては相棒とのツーショットが癒されるこちらの男性。
No.9 Thompson(ナンバーナイン・トンプソン) のクリエイティブディレクター
Richard Smith (リチャード・スミス)です。

2006年から発売されたジム・トンプソンのもう一つの顔、No.9は
2015年のイギリスのインテリア誌「House & Garden」のファブリックアワードを受賞するほか、
2016年には先日も開催されたばかりのパリ デコオフにてベストコレクションを受賞し、
現在世界から注目を集めるブランドのひとつに成長しています。

 
2014年『Butterfly House』コレクションより    No.9 Thompson HP 

リチャード・スミスのデザインの多くは彼のデッザンやハンドペイントから生み出されます。
イギリスのサセックスにある海を臨む開放的なスタジオで描かれる水彩のペイントは、
まるで乾いた海風を待ち受けるかのような、軽く柔らかなコットンやリネン地にプリントされます。

そのデザインのモチーフは南はアフリカ・ブラジルから、北はスカンジナビアンデザインまで、
世界中の古くから伝わる伝統的な文様や、文化からインスピレーションを得ています。

 
2015年「Dragon Dance」
こちらを見据えて威嚇するドラゴンは、リチャード・スミスの優しいタッチと色使いでどこか愛嬌のあるキャラクターに。


2016年に発表した『OBI』、『ORIGAMI』コレクションはその名のとおり日本がモチーフになっています。
川端に咲くアヤメをデザインしたこちらの「Water Garden」は、尾形光琳の「八橋図屏風」へのオマージュでしょうか。

そしてもうひとつ特筆すべきは、アウトドアコレクション(※2)の豊富さです。
ジム・トンプソン社ではかつてトンプソンの理念であったように、これまでにない生地の研究開発に力を入れていました。
特にタイというその気候柄、対候性とデザイン性優れる生地の開発はトンプソンが生きていれば、
情熱をかけて取り組んでいたテーマでしょう。

2012年の発売からこれまで5種類のコレクションが発売されています。

 
2015年『Fez outdoor』コレクション      2017年『Colourfield outdoor』コレクション

今季発売されるコレクションでもアウトドア仕様の生地はもちろん、地中海の色彩やローマの古代遺産からのモチーフを
デザインに取り入れた爽やかな2つのコレクションが発表されます。
早くも今年の夏が待ち遠しくなるような、リゾート風のコーディネーションにぴったりなコレクションとなりそうですね。

 
2018年『Aegeus』コレクション

2018年『Surf’s Up outdoor』コレクション
さて、ジム・トンプソンの意思を引き継ぎつつ、現在の彼らにしかできない手法で、新しい”ジム・トンプソン”の一面を
展開しているウー・バホリヨディンとリチャード・スミス。
トンプソンが生きていたらこの2人のデザイナーをどう評するでしょうか。
なかなか面白いことをやっているじゃないか! そう笑顔で答えてくれるはずです。
過去そして新しい挑戦へと、60周年を超えてますます目が離せないジム・トンプソンに、どうぞご期待ください!


「わしも一緒に作りたい・・・」

 

※1 ジム・トンプソン、ナンバーナイン・トンプソン2018年コレクションは日本未発売です。
発売時期についてはHPにてご確認下さい。
※2 ここでご紹介したアウトドア生地とは組成における対候性を指しており、
撥水効果についてはその範囲でありません。

【The Story】vol.1 ウィリアム・モリス
【The Story】vol.2 ニナ・キャンベル
【The Story】vol.3 マシュー・ウィリアムソン
【The Story】vol.4 パオラ・ナヴォーネ(前編)
【The Story】vol.4 パオラ・ナヴォーネ(後編)
【The Story】vol.5 ジム・トンプソン(前編)

【The Story】vol.5 ジム・トンプソン(前編)

2018.02.01 / tokyo

昨年9月より6回にわたり毎回ひとりの人物を取り上げ、ブランドにまつわるストーリーを
東京・大阪・名古屋のショールームブログよりリレー形式でお届けしています。

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【The Story】第5回目は、タイシルクの代名詞ともいえる“Jim Thompson (ジム・トンプソン)”から、
William Morris (モリス)と並んでファブリックの歴史に名を残す偉人の人生と、
現在のブランドを支える二人の若きクリエイターたちのお話。
今回は前編、ジム・トンプソンその人をご紹介します。

◆JIM THOMPSON ジム・トンプソン


タイへ旅行に行かれた方なら、一度ならずとこのブランドの名前を耳にした事があるでしょう。
ジム・トンプソンの美しいシルクのネクタイやスカーフはタイ土産の定番ですし、
建築家でもあったトンプソンがバンコクに建てたジム・トンプソン・ハウス(現在はミュージアム)を、
ツアーの工程で訪れた方も多いのではないでしょうか。


ジム・トンプソン(本名:James Harrison Willson Thompson)は1906年アメリカの裕福な家庭で生まれました。
プリンストン大学にて建築を学んだのち、新進気鋭の建築家としてNYを拠点に活躍します。
トンプソンは当時より関心を持っていたバレエのステージデザインや衣装の仕事をきっかけに、
インテリアデザイン、ファッション、ショービジネス、アート、メディアの世界での人脈を増やしていきます。

そんな順風満帆に思えた矢先、第二次世界大戦が勃発。
トンプソンは志願兵として入隊。現在のCIAの前身であるOSSに所属しタイ潜入指令の任にあたります。

このタイの地がトンプソンの人生を大きく転換させる舞台となりました。


悠然と流れるチャオプラヤ河、うっそうと茂るジャングルの奥地に静かにそびえる古代の仏塔や寺院たち。
そして力強くも、繊細な彫刻が施される美しいクメール美術の数々。
トンプソンは一目でこの地に魅了されました。
終戦後、彼は建築家としてバンコクの老舗ホテル、
オリエンタルホテル(現:マンダリン・オリエンタル・バンコク)の再建に尽力します。


 (トンプソンが商談で使用していたオリエンタルホテル内の「オーサーズ・ラウンジ」。
 明るく開放的な空間にジム・トンプソン社の張地で仕立てたコロニアルスタイルのインテリアがよく映えます。)

この時出会ったのが、衰退の一途を辿っていたタイシルクでした。

20世紀初頭に入るとタイの人々の生活様式の変化や外国からの安い絹織物などの流入を受け、
トンプソンが訪れた当時、バンコクではわずか数軒の家族が絹織物生産を続けていたのみと言われています。


トンプソンのタイの伝統文化・美術への敬意が、クメールの女神を微笑ませたのか
このシルクと出会ってわずか5年で、彼はタイシルクの国際的な地位を確立していきます。


1947年。トンプソンは早速、この魔法のように美しいシルクの見本を抱えて、NYに舞い戻ります。
エメラルドグリーンとマゼンダ、ターコイズブルーとショッキングピンクなど、
エキゾチックで魅惑的な色の組合せは、トンプソンの狙い通りNYの人々を魅了していきました。
NYで築いた人脈を通してタイシルクの評判はたちまち広がり、
ファッションの権威でもあるヴォーグ誌の当時の編集長エドナ・ウルマン・チェイスの称賛を勝ち取ることとなります。

翌年、トンプソンは「タイシルク商会」を設立。
1951年にはまるで成功の道が用意されていたかのように、
シャム国(現:タイ王国)を舞台にしたブロードウェイミュージカル「王様と私」が初演を迎え、
衣装提供をしたタイシルク商会は、ミュージカルの大ヒットと共に一躍タイシルクの名を世界に広めました。

ジム・トンプソンがシルク王といわれる所以は、
タイシルクに着目し世界一流のブランドに登りつめたデザイナーとしてのセンス、
そして養蚕から紡績、織りの作業と伝統的な人の手による技と西洋の技術的革新を融合させ、
地域産業として復興させた実業家としての手腕によるところが大きいでしょう。


現在でもその手法は変わりません。
数千もの家族経営の農場の協力と、自然の中の広大な敷地で
農場・工場・デザインスタジオ・そして研究開発、全ての工程を自社で手掛けています。
その規模はなんと445ヘクタール以上!
ここまで一貫した生産を行っているのは、世界でもジム・トンプソン社だけと言われています。

それは徹底した品質管理、全てのプロセスに必要な専門知識を統合してこれまでに無いファブリックを開発すること、
そして、地元の農家の伝統的な生計手段、文化、尊厳を維持することを目的としているからです。

トンプソンは西洋のファッションやインテリアにも使いやすいコンテンポラリーなデザインや配色を心掛け、
色落ちしない工夫や最新のプリントを技術を導入することで、今までにないタイシルクを開発することに成功しました。
それと共にタイの伝統的絵画やクメール美術に残された優美な柄や色使いを積極的に取り入れています。

妥協なき美の追究とタイの人々と自然との共生は、彼の揺るぎなき信念といえましょう。

さて事業の拡大と共に日々多忙を極めるトンプソンでしたが、
休日の趣味はもっぱら古い寺院を散策することでした。
同様に古美術品の収集家でもあった彼は、自宅にも国宝級の美術品を飾っていたそうですが、
「タイの物はタイに」という思想から、収集したものは全てタイ政府に引き渡すよう遺言に残しています。
タイの芸術を心から楽しみ、敬愛していたことが伺えるエピソードですね。

そんなコレクションの中でも特にお気に入りの絵画がありました。

「Weaving Scene」
生地を織る工程を描いたこの絵は長い間、ジム・トンプソン社のシンボルデザインとして使われてきました。
ここに描かれているのは、まさにトンプソンの夢見た桃源郷そのもの。
かつて戦争の、破壊の最前線にいた彼は、伝統が守られていく事の難しさと尊さを、
その身をもって知っていたことでしょう。
トンプソンが中世のこの風景・文化が復興したことの喜びと、継承していかなければならない矜持をもって
この絵を眺めていたことは想像に難くありません。

さて、その後も映画「ベン・ハー」などハリウッドへの衣装提供や、
タイ王国への貢献を讃えた「白象勲章」の授与、インテリアファブリックへの進出等、
精力的に活動の場を広げていきます。

ところが、その活躍にある日突然ピリオドが打たれます。

1967年3月26日。
イースター休暇でマレーシアの高原へ友人たちと訪れていたトンプソンは、
ディナーまでの空き時間にふらっと散歩へ出かけ、そのまま消息を絶ったのです。

彼はなぜ、そしてどこへ消えてしまったのでしょう。

CIAとして活動していた経歴から政治的陰謀による誘拐説、先住民による捕縛説、
密林でトラに襲われた説、自作自演説・・・等
密林に消えたミステリーとして、消息を絶った当時、莫大な懸賞金と共にさまざまな憶測が瞬く間に世界中に広まりました。

なんてドラマチックでミステリアスな人生!

この物語に魅了されたひとりに小説家松本清張がいます。
彼はトンプソンが失踪したキャメロンハイランドを舞台に、
トンプソンをモデルにしたアメリカ人実業家の失踪劇と日本で起きた殺人事件を
巧妙に絡めた推理小説「熱い絹」を執筆しました。
主人公と共に事件の真相を追いながら、トンプソンが過ごした当時のタイ、マレーシアに広がる
密林や発展途上の街の風景と、失踪における清張の推論を伺い知ることが出来ます。
興味のある方はぜひこちらも読んでみては。

まるでアンリ・ルソーの「夢」のように、
密林に潜む更なる美しい「何か」に導かれるかのように姿を消したジム・トンプソンは、
今でもその美を追い続けているのかもしれませんね。

 

さてそれから45年―。
2012年ジム・トンプソン社は新しく発売する壁紙コレクションの第1作目としてこちらのデザインを発表しました。

「Jim’s Dream」

トンプソンが愛した「Weaving Scean」のモチーフを再構成し、
年月を重ねた壁画調のデザインが現代のモダンなインテリアにも馴染む上品で美しい作品のひとつ。
これは、ブランドが若きクリエイターたちによってトンプソンの意思が引継がれ、
新しい段階に突入したことを物語っていると言えます。

トンプソンなき現在、彼が築き上げたタイシルク商会は現在2人のデザイナーが
クリエイティブディレクターとしてその手腕を振るっています。

次回はこのふたりについてご紹介していきましょう。

 

【The Story】vol.1 ウィリアム・モリス
【The Story】vol.2 ニナ・キャンベル
【The Story】vol.3 マシュー・ウィリアムソン
【The Story】vol.4 パオラ・ナヴォーネ(前編)
【The Story】vol.4 パオラ・ナヴォーネ(後編)

スペシャルなディスプレイ

2017.12.27 / osaka

2017年も残りわずかとなりました。
今年もご来場くださいましたお客さま、誠にありがとうございました。
年末年始は下記の通りお休みをいただきます。何卒宜しくお願いいたします。

◆年末年始休暇 : 2017年12月29日(金)~2018年1月4日(木)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

先日開催した「手縫いの魅力、ハンドメイドカーテンの世界」セミナー。
ハンドメイドカーテンの魅力、縫製、そしてソフトファニシングスの魅力を
Ditty Workshopの岸本様にお話しいただき、ご参加いただいたお客さまからは
沢山の嬉しいお声をいただきました。

岸本様に手がけていただいたハンドメイドカーテンは、ショールームにてご覧いただけます。

カーテン:「Bullerswood」226395
椅子張り:「Montreal Velvets」226391
クッション:赤「Bullerswood」226392 紺「Bellflowers Weave」236525
ラグ:「Ceiling」256741

MORRIS&Co.(モリス)の新作『Arcive 4 The Collector』より、
ペルシャ絨毯からインスパイアされた生地「Bullerswood」を使い、
すべて手縫いで仕上げていただきました。

表地、中綿、裏地と3層になった生地は、空気を含むようにふっくらと縫われているので、
まるで織りのような重厚感が感じられる仕上がりに、私たちスタッフも感動いたしました。

I型ボーダーのブルーの生地を、共布タッセルとトップにもラインで使用しているところにもご注目。


こうした細部へのこだわりが、全体の美しさにもつながります。
お好きな生地をカーテンにする時、より素敵に見えるにはどうしたらよいか考えながら
組合せの生地を選ぶのも楽しいひとときです。
カーテンのスタイルにもこだわってみたいというお客さま、お気軽にご相談くださいね。

イギリスでは今でも、カーテンは手縫いが主流だそうです。
そしてカーテンだけでなく、椅子やソファの張り地や壁紙をトータルでコーディネートすることを楽しんでおられます。

私たちもインテリアの充実によって、皆さまの暮らしがより豊かになるお手伝いができればと願っております。
豊富なラインアップから、お客さまのご要望やお部屋の雰囲気に合わせたコーディネート提案もさせていただいておりますので、ぜひ来年もマナトレーディングショールームをご活用ください。
皆さまのご来場を楽しみにお待ちしております。

アーキテクチュアル・デザイン

2017.12.13 / osaka

先月、スタッフ数名で愛知県犬山市にある
博物館 明治村を訪れました。

当日はお天気にも恵まれて、ちょうど紅葉が美しい季節でした。

広大な敷地に、明治時代に建てられた重要文化財を含む建造物が
移築、展示されている屋外博物館「明治村」。
職業柄、洋館の窓にかかっているカーテンの生地やスタイルなどは注目してしまうのですが、
[三重県庁舎]のカーテンは建物の雰囲気に合っていて素敵でした。

中でも私たちが最も時間をかけて見学したのは、[帝国ホテル中央玄関]でした。
20世紀を代表する建築家フランク・ロイド・ライトの手がけた外観は、
大谷石と煉瓦で造られ、重厚感のある佇まいが印象的でした。
中に入ると、大谷石の柱からもれるあたたかな光と、
大きな窓から差し込む光が神秘的な落ち着いた空間が広がります。
 
石や煉瓦には幾何学的なデザインの彫刻がされていて、
細部まで美しい装飾に思わず釘付けになってしまいました。

建築といえば…HARLEQUIN(ハーレクイン)から今秋、
デザインに建築の要素を取り入れたコレクション『ENTITY』が発売になりました。
建築をテキスタイルに取り入れた“アーキテクチュアル・ファッション”がコンセプトで、
さまざまな幾何学柄が揃っています。

壁紙:Geodesic
不揃いな三角形を組み合わせたデジタルプリント。


壁紙:Rene
メタリックと凹凸感のあるエンボス加工で表現したぼかしストライプ。
カーテン&張地:Rondure
草の上にうつる木々や葉の間から差し込むまだらな光を表現。

ファブリックと壁紙に加え、組み合わせてお使いいただける椅子張りのコレクション『QUADRIC』もございますので、
トータルでコーディネートしていただけます。

張地:Grafik
まだらに複数の色が組み合わさった幾何学柄。

建築的な要素をインテリアに取り入れるのは、昨今トレンドのひとつにもなっております。
モダンで遊び心のあるコレクション『ENTITY』をご参考にされてはいかがでしょうか。

【The Story】vol.4 パオラ・ナヴォーネ(前編)

2017.12.02 / nagoya

9月より6回にわたり毎月1人の人物を取り上げ、ブランドにまつわるストーリーを、東京・大阪・名古屋のショールームブログよりリレー形式でお届けしています。

今回取り上げるのは、11月に発売の「Casa BRUTUS」にも登場したデザイナーのThe Story。
職業… 建築家、デザイナー、アートディレクター、インテリアデコレーター、工業デザイナー、イベントクリエーター、etc.これらすべての顔をもつ女性、PAORA NAVONE(パオラ・ナヴォーネ)が第4回目の主人公です。

これまで【The Story】でご紹介してきた登場人物は、その「名前」=「ブランド名」でした。きっと皆さんにとっても親近感があったのではないでしょうか。ところが、今回はその図式があてはまりません。

イタリアを代表するデザイナーのひとりであるパオラ・ナヴォーネ。
彼女がクリエイティブディレクターを務めるのが、“DOMINIQUE Kieffer (ドミニク・キーファー)”です。
2013年の就任以来、洗練された自然素材をベースに、ニュアンスのあるオリジナルの色彩と質感を特徴としたファブリックを発表し続けています。
MANASの数あるブランドの中で最も「ナチュラル」で、「洗練」「カジュアル」「モダン」というカテゴリーに位置するブランドのデザイナーになります。


(ベェネツィアを舞台にした2016―2017のコレクションより)

まずはパオラ・ナヴォーネのプロフィールからご紹介します。
イタリア、トリノ出身で、1973年にトリノ工科大学の建築学科を卒業。
その後ミラノに移り、当時イタリアの革新的前衛デザインを牽引していたアレッサンドロ・メンディーニやエットレ・ソットサス、アンドレア・ブランジらも所属するデザイン集団「アルキミア」で働き研鑽を積んでいきます。
既に世界で活躍していた巨匠とともに仕事をするという環境は、今に繋がる彼女のデザイン手法に大きな影響をもたらし土台を形成していったと云ってもいいでしょう。

その後、世界の名だたるブランドとコラボレーションを手掛けるように。
ARMANI CASA(アルマーニ・カーザ)、Knoll International(ノール)、Swarovski(スワロフスキー)、ALESSI(アレッシー)…その他にも誰もが一度は耳にしたことのある数々のブランドのデザインに関わっていきます。
そうした過程を経て1998年、遂に彼女の代表的な仕事の場となるイタリアの家具ブランド「GERVASONI」(ジェルバゾーニ)のアートディレクターに就任。現在進行形でソファーをはじめ新たな家具を発表しています。
そしてその間にも住宅やホテル、バーといったインテリアプロジェクトも数多く手掛け、ドミニク・キーファーの二代目クリエイティブディレクターへと繋がっていきました。


どんな経緯でドミニク・キーファーに?
「ドミニク・キーファー」はもともとはフランスのブランドで、2001年にイタリアのルベリ傘下に加わりました。自然なものを好むパオラ・ナヴォーネは、以前よりこのブランドの一番のお得意様でもありました。彼女はテキスタイルのデザイナーではなかったのですが、これまで長年にわたり家具やインテリアのデザイナーとして活躍してきた経験と、また、自然素材を活かしたモノ作りを行う精神がドミニク・キーファーと相通ずるところがありルベリ社よりオファーをしたのだそうです。

その後のドミニク・キーファーでの仕事は、ドミニク・キーファのカタログの全てに詰まっています。百聞は一見にしかず、きっと目で見て感じて頂けると思います。
これまでのコレクションカタログは、下記のリンク画面からご覧いただけます。
歴代のコレクションカタログ(MANASのサイトを離れます。またカタログはPDFでの閲覧となりますのでご了承くださいませ)
    
ここに登場するロケーション、スタジオなのかと思いきや彼女が内装を手掛けた家であったり、さりげなく写る背景の小物も彼女のお気に入りの「魚」のモチーフだったり。ぜひ世界観も一緒にお楽しみください。

そしてもうひとつ。
11月にMANASのHPに商品検索サイト「interior library」がOPENし、それぞれの商品の詳細がご覧いただけるようになりました。
その中でTOP画面に定期更新されるオリジナルの「Playlist(プレイリスト)」には、現在パオラ・ナヴォーネも取り上げられていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

それでは前編はここまでに。
次週更新する後編では、ここからさらに3つのキーワードにスポットをあて、パオラ・ナヴォーネのバックボーンに迫ってまいりたいと思います。

【The Story】vol.1 ウィリアム・モリス
【The Story】vol.2 ニナ・キャンベル
【The Story】vol.3 マシュー・ウィリアムソン