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「ジム・トンプソン」カテゴリーのブログ一覧

New!!『JIM THOMPSON』ディスプレイ

2021.04.13 / tokyo

桜の季節も終わり、街路樹の緑が鮮やかな季節になってまいりました。

さて、東京ショールームでは、上質なタイシルクのメーカーとしてその名を世界に知られる『ジム・トンプソン』のコーナーに新しいディスプレイが仲間入りしました!

まず初めに、今期の新作コレクションのファブリックを張ったスツールをご紹介しましょう。

座面には、小紋柄で椅子張り地としてお使いいただきやすいアイテムが揃う『ELEMENTS』コレクションより、『Parnassus』を。ギリシャ雷紋柄と呼ばれる幾何学模様の織り地で、パルナソスとは、神々の家とされるギリシャの山の名前に由来します。ギリシャをはじめとする建築装飾などにみられるお馴染みの柄ですね。

側面には、それぞれ異なる刺繍テクニックを用いた生地を収録した『MOONSTONE』コレクションより『Topaz』を。こちらの柄はペルシャ絨毯のデザインを様式化したもので、生地を覆う刺繍はとても豪華なテクスチャー。椅子張り地としての強度が十分なものではありませんが、今回は座面に比べて摩擦の少ない側面に使用してみました。

また、背景の大胆なトロピカルモチーフが目を惹くカーテンは、1年前の2020年春夏コレクションで、エントランスにディスプレイしていたものです。(詳しくはこちらのブログにてご紹介しています)

次に、間仕切り壁に設えた窓辺のコーナーをご紹介しましょう。

今回新たに展示したカーテンは、ジム・トンプソンが魅了された、東洋の魅惑的なアートやカルチャーからインスパイアされたデザインが揃う『BARDO』コレクションより、コレクション名でもある『Bardo』です。

このBardoとは、チベット仏教において、輪廻転生のプロセス、ひとつの生から次の生へ移るまでの中間を意味し、とても神秘的な世界観が、複雑で密度の高い豪華な織りで表現されています。

また、手前に置いたクッションもシルクや刺繍の光沢が美しく、華やかさを添えています。

続いてこちらは、間仕切り壁を反対側から見た様子。先ほどの『Bardo』の裏面になるこの生地は、グリーンのイカット(絣)模様が映し出すシルクならではの光沢感が美しい『Matmi』です。

ヨコ糸をしっかりと結わいて手染めをし、手織りで大胆なデザインをモダンに表現するという、ジム・トンプソンが誇る伝統的な職人技を踏襲して製作されたもの。この、糸を染める工程における「しっかりと結ばれた糸」を意味するタイ語”マドゥミー”から名付けられています。

美しいマドゥミーの生地は世界で最も古くから伝わる柄織生地でもあり、タイの王朝時代の女性たちが腰に巻き付けるサロンとして身に着けていたとされています。

サロンとして使用されるのみだった生地を、ジム・トンプソンではより多くの用途で使用できるよう、大きなサイズで織るようになりました。

このように、ジム・トンプソンはタイの伝統的な技術を用い、アーカイヴを大切にしながらも、モダンで新しさを感じるデザインのシルクコレクションとして形を変えながら、現在もその技術を継承し続けています。

シルクは、紫外線の影響を受けやすくデリケートな素材ではありますが、こちらのようにお部屋の間仕切りとしてお使いいただければ、上質でラグジュアリーな空間が演出できますね。

ぜひ、ショールームのジム・トンプソンコーナーで”本物のシルクの美しさ”をお確かめください。

ディスプレイを変える前に

2021.03.30 / nagoya

2021年の新作でディスプレイが変身する前に、今のディスプレイにスポットライトを当てたいと思います。2020年のディスプレイは、実際に見て触れていただく機会も少ないまま引退になってしまうのは寂しい…。
そこで最後に記録として残しておきたいと思います。アイテムの詳細は品番をクリックしてくださいね。

まずは5月にディスプレイ交代が決まっているRUBELLIコーナー。

カーテン(左):30369-02
カーテン(中):30371-03
カーテン(右):30350-04

様々な縁取りがポイントのクッション。

左から共布パイピング、レザー調のパイピング、ベルベットのパイピング、シルク紐のパイピング。

クッション(左から順番):30360-01+共布
クッション:30361-01+HOULES 3116-9200
クッション:30366-04+JIM THOMPSON JT030025-006
クッション:30364-08+JIM THOMPSON JT030026-004

ソファ:30352-01

次はジムトンプソンのコーナーです。

こちらもトリムがアクセントになっています。今回はレースにあしらいましたがクッションのアクセントにしても素敵なアイテムです。

カーテン(左):JT013663007+ボーダーN9031021003+裏地
カーテン(右):JT013794006+フリンジJT030043003+裏地

レース:RUBELLI 30270-02+ボタンJT030033006+フリンジJT030032006

オズボーン&リトルのディスプレイ。

いろいろなブランドがミックスされたディスプレイコーナーでもあります。
ドレープカーテン(刺繍)・・・オズボーン&リトル「MANSFIELD PARK」
レースカーテン・・・ヴィラ・ノヴァ(※名古屋ショールームセレクトのブランドです)
レースカーテンのフリンジ・・・ジム・トンプソン「ORNAMENTA TRIMS」
クッション(赤)・・・ニナ・キャンベル
クッションのトリム・・・ニナ・キャンベル「TRIANON TRIMMINGS」
スツール・・・オズボーン&リトル「GLORIANA」
ランプ・・・ポルタ・ロマーナ「Bishop Lamp GLB79」

これらのディスプレイは、昨年6月からスタートした名古屋ショールームのインスタグラムでもご紹介しています。またちがった角度からの写真なども是非お楽しみください。また、あと一ケ月程はショールームでご覧になれます。

2021年の春夏コレクションも発売が始まって間もなく折り返し地点。
直接ご覧いただく機会もまだまだ少ないかもしれませんが、MANASのメルマガ「MANAS Mail Information」では、一般のお客様向けにイベント情報や、MORRISWORLD.jpの最新情報をお届けしております。まだの方も是非この機会にご登録くださいせ。(ご登録はこちらへ)

リゾートへトラベル

2020.09.30 / osaka

今年の夏は旅行を控えられたり、
夏を感じる前に秋が来てしまったと感じている方も多いのではないでしょうか。

旅行に行けなくても、JIM THOMPSON(ジム・トンプソン)のファブリックなら
南国気分を味わっていただけます。


ドレープ:Bora Bora JT013796001
トリム:Ornamenta Tassel Fringe JT030032004
シアー:リネッタ2
壁紙:Maharaja Panel N9021027001

ダイナミックに描かれたハイビスカスやストレチアなどの南国の花々と葉を、
ワーププリントと手織りで表現したドレープを主役にディスプレイしました。

ワーププリントとは、一度ゆるく織った生地にプリントをし、
ヨコ糸を抜き図柄を崩さないようにもう一度織りなおすという技法です。
職人の長年の経験を必要とする高度な技術で、手間暇かけて作られています。
そうして生まれたイカットのようなぼかしと繊細なディテールは、
まるでジャングルの中に現れたオアシスのように幻想的。


オリエンタルな雰囲気をより一層引き立たせる
ビビットなオレンジ色のフリンジも、今季の新作です。

ジム・トンプソンからは、他にもアイコニックなトリムが揃っています。
特に面白いのがこちらのデザイン。

チャイナドレスのボタンのような形をしています。


両開きのカーテンの召し合わせ部分に片方ずつ取り付けて、
少しだけ留めるといったありそうでなかった新しいカーテンスタイルです。

カーテン以外に、こんな使い方も。

クッション生地:Ekamai JT013055015
トリム:Ornamenta Frog Closure JT030033006

左右の生地を重ね、ブラウスのボタンを留めるように取り付けています。
ショールームにて展示していますので、ご来場の際にはぜひご覧ください。

ジム・トンプソンのシルクの生地ととても相性がよいので、
よろしければ参考にしてみてくださいね。

新しいトリムのご提案

2020.03.23 / osaka

JIM THOMPSON(ジム・トンプソン)の新作が発売になりました。
今回のコレクションでは、生地・壁紙・トリムがラインアップ。

南国の葉やトロピカルなフラワーモチーフをプリントや刺繍で表現した生地、
ストライプ柄の手織りのシルク、アバカの繊維を使ったラグジュアリーな壁紙などが揃いました。

昨年からコレクションを再開したトリムは、
カーテンの縁やクッションの周りを飾るだけで簡単にオリエンタルな雰囲気を演出できるものから、柄物と合わせやすい無地のものまでバリエーションも豊富になってきました。
前回のコレクションについては、こちらのブログをご覧ください。

今回はテーマの違う2つのコレクションが入荷。
一つ目は、ドライなリネンやコットンの糸を使用し、イカット調のモチーフや草木染めの風合い、
ハンドペイントで表現したものなどクラフト感と高級感のあるトリミングが揃う『LAN NA COURT TRIMS』。


ラーンナー王朝と呼ばれる、現在のタイ北部からラオス西部に位置する場所で栄えた土地に伝わる
装飾的なテキスタイルのデザインや、ラーンナーの民族衣装であるサロンやローブのクラシカルなデザインがインスピレーションの源になっています。

もう一つのコレクションが『ORNAMENTA TRIMS』。
ニュートラルから鮮やかな色まで洗練されたカラー展開が特徴で、
シルクのような光沢のある糸が使われています。
椅子やクッション、カーテンなどインテリアシーンに宝石をちりばめるかのようにドレスアップしてくれる装飾性の高いトリミングが揃っています。


ジム・トンプソンでは初登場のキータッセル。
キータッセルとは、名前の通り鍵に付けられるタッセルで、鍵だけでなくクッションやテーブルランナーなどのコーナーに装飾品として取り付けることもできます。

長さがあるので、クッションに付ける場合はマチ付きでしっかりとボリューム感を出すと相性が良さそうです。


チャイナドレスの胸元についている飾りのようなこちらの装飾は、
どのように使うと思われますか?

両開きカーテンの場合、生地の端にそれぞれのパーツを縫い留めると、
ボタンのように留めることができるのです。

ファッションの要素を取り入れた、今までありそうでなかった新しいスタイル、
ご興味のある方はぜひショールームにてご覧ください。

トリムでアクセント

2019.10.20 / osaka

JIM THOMPSON(ジム・トンプソン)より、
新しいトリムのサンプルブックが入荷しました。

今年の春に発売になった『SHANGRI-LA』コレクションと同じシリーズです。

広幅のイカット柄やアニマル柄、幾何学柄のボーダーはインパクト大。
カーテンやクッションに付けていただけるのはもちろん、
椅子張り地のアクセントにもご使用いただけます。
 

 

ジム・トンプソンならではの、シルクの糸で作られたコードタイプのトリムもおすすめです。
直径3mmの細さで、クッションのパイピングに最適。
もう少しボリューム感がほしいときは、6mmのベルベットタイプもございます。
 

 

発色の綺麗な色が豊富に揃っているので、どのような生地にも合わせていただけそうです。
ぜひ実際にショールームにてご覧ください。

ジム・トンプソンからは、秋冬の新作コレクションのサンプルブックも入荷しております。
来月には新作の生地を使ったディスプレイチェンジも予定していますので、どうぞお楽しみに。

 

 

模様替え@大阪ショールーム

2019.05.21 / osaka

先日、ショールーの一部をディスプレイチェンジいたしました。

William Morris(ウィリアム モリス)のハンドメイドカーテンから、
Jim Thompson(ジム トンプソン)のカーテンへ。

Before

After

今回カーテンにしたのは、丁寧に手織りで織られたシルク100%の「Carom」。
新緑の美しい季節に合わせ、ターコイズグリーンを選びました。

シルク素材は紫外線に弱いので、カーテンには必ず裏地を推奨させていただいております。
裏地は遮光の「ノアール」と、綿素材の「エトフ」を片開きずつ合わせました。
ぜひショールームで仕上がりの違いをお確かめください。

  
トリムとタッセルはHOULES(ウレス)のOPALEコレクションより、
ビーズを使ったデザインを合わせ、モダンな雰囲気に。
合わせるアクセサリーで印象が変わるのも、オーダーカーテンの楽しいところですね。

手前のソファにはカーテンの色とリンクさせたグリーンと、
グリーンと相性の良いイエローのクッションを。

クッションはELITIS(エリティス)の新作です。

新作の発売ラッシュもあともう少しで落ち着きます。
各ショールーム、新しいディスプレイで皆さまのお越しをお待ちしております。

“Color Your Life! “ 人生に彩りを!

2019.01.10 / tokyo

あけましておめでとうございます。
今年も新作商品やディスプレイ、イベント情報など
東京・名古屋・大阪のショールームより、それぞれの視点からご紹介してまいります。

さて、新年最初のブログは東京ショールームより、
今年のトレンドカラーについてご紹介します!

世界標準の色見本を設定している色彩のプロフェッショナル企業、
PANTONE社が毎年発表する「Color of the Year」。
トレンド分析や色彩心理学などの綿密なリサーチに基づき、
毎年12月にその翌年のトレンドカラーを発表しています。

そのPANTONE社が昨年発表した今年2019年春夏のトレンドカラーは、「Living Coral」。
ゴールドを基調にしたコーラルピンクです。

「人生を肯定するコーラルの色合いは、柔らかいエッジとともに活気を与える」
さんご礁が海洋生物にとっての栄養源であり、シェルターでもあるように、
活気とまろやかさもあるPANTONE 16-1546 Living Coralは、
暖かさと滋養で私たちを包み込み、
この常に変化する環境の中で快適さと回復力をもたらします。
引用:PANTON JP

ベースにゴールドが含まれているのが、イキイキとした生命力を感じさせるようで、
とても良い色ですよね。

「カラーは、私たちの人生経験の味わい方を向上させ、影響を与える」
と言うように、
色彩心理学は今や、生活の様々な場面において一般的な学問になりました。
私たちの生活において、毎日着る服、食べ物、景色、情報、ホスピタリティ・・・
視覚は色によって支配され、そこから人間は無意識ながら感情をコントロールされています。
それは毎日 目にする家やオフィスのインテリアについても同様ですね。

毎日見る色が、あなたにとってポジティブな色であれば、
少なからずあなたの心を前向きにさせてくれるはずです。
今年のカラーはまさにそんなエネルギーのある、フレッシュな色のひとつとなりました。
インテリアは勿論、ファッションや食器など、
生活の一部にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
そんなLiving Coral に近いカラーをショールームでも探してみました。

こちらの写真にあるのは、まずは前回のブログでもご紹介した、
Nina Campbell (ニナ・キャンベル)の生地がほとんどです。

実はこのコーラルピンク色は、ニナが好きな色のひとつ。
これまでのコレクションにも多く用いられてきました。

上部に写っている無地は、360色展開のROMOの生地「Linara」コレクションから。
360色という膨大な色数は、他に類を見ない色展開です。

 

ちなみにPANTONEについては、一般的な色見本帳で約1900色掲載しています。
その中から、毎年どうやって「Trend of the Year」 の1色を選んでいるのでしょうか…

そんなトレンドカラーを取り入れた2019年春夏コレクションは、
3月を目途に順次発売の予定。
カラーやモチーフなど、毎季ブランドごとにユニークなアプローチで
デザインにトレンドを取り込んでくるのも、新作商品の見どころです。

来週1月中旬よりパリで開催されるインテリアの祭典、
メゾン・エ・オブジェとデコオフの模様もまた、
弊社Instagramにて配信予定ですので、ぜひそちらもご覧くださいね!

 

その他にも、エネルギーをもらえそうな、カラフルな色彩の生地や壁紙を選んでみました。


Harlequin (ハーレクイン):Floreale 120524

Harlequin(ハーレクイン):Arccos 111969

 

Sanderson(サンダーソン):PAPAVERAコレクション

 

 

 

 


JIM THOMPSON(ジム・トンプソン):Garden Party JT013688001

 

ÉLITIS (エリティス):Allegorie RM256-01

 

ÉLITIS (エリティス):Trinidad RM803-35

 

 

 

皆さまにとって、カラフルで充実した一年になりますよう!

今年もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

参照:PANTON JP

 

トレンドの幾何学柄

2018.08.20 / osaka

ここ数年、インテリアトレンドのひとつになっている「幾何学柄」。
幾何学柄とは、 三角形・四角形・菱形・多角形・円形などを素材にし、
それらを組み合わせて作られた模様のことです。

今年も個性豊かな幾何学柄が出ております。


イギリスブランド、kirkby design(カークビー・デザイン)より発売になった
ARCO GEOMETRICS』コレクション。
建築学的な要素にインスパイアされた、どこか懐かしさも感じるデザインを
高級感のある素材とカラーで生地にしました。


ブラックやホワイトのほか、テラコッタ(レンガ色)やミュートゴールド(艶が抑えられたゴールド色)、ティール(青緑色)など、グラマラスなカラー展開は、上質な大人のインテリアにマッチします。

 


No.9 Thompson(ナンバーナイン・トンプソン)より、
デザイナー リチャード・スミスが、ギリシャへの旅で見た風景やデザインを
テーマにしたコレクション『AEGEUS』。
エーゲ海の爽やかな景色を思わせるようなカラーと、リネンやコットンの素材感が
見た目にも涼やかです。
アウトドアでご使用いただける生地や、幾何学柄のブレードも揃っています。

 


前回ご紹介したPURE MORRISの新コレクション『KINDRED WEAVES』には、
麻や綿の混合素材で、ナチュラルに織られた幾何学柄がラインアップ。
写真のように、ベッドのヘッドボードにされても素敵です。

 


アメリカ南西部の先住民族であるナバホ族からインスピレーションを受けたという
個性的な幾何学柄は、zinc(ジンク)から登場。
モダンでシンプルな空間に小物で取り入れていただくと、
一気に今っぽい雰囲気を演出できます。

幾何学柄とひとくちに言っても、さまざまなデザインがあり、
素材によっても雰囲気はがらりと変わります。
花柄や植物柄に比べると、男性の方でも取り入れていただきやすいと思います。
小物使いでも、十分にお部屋の雰囲気を変える効果がありますので、
よろしければこちらのページよりお気に入りを探してみてはいかがでしょうか。

【The Story】vol.5 ジム・トンプソン(後編)

2018.02.14 / tokyo

昨年9月より6回にわたり毎回ひとりの人物を取り上げ、ブランドにまつわるストーリーを
東京・大阪・名古屋のショールームブログよりリレー形式でお届けしています。

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【The Story】第5回目後編は、“Jim Thompson (ジム・トンプソン)”
現在このブランドを支えるふたりの若きクリエイターたちのお話。

◆Jim Thompson―Ou Baholyodhin(ウー・バホリヨディン)―

こちらのビシッときめた男性はOu Baholyodhin(ウー・バホリヨディン)。
現在ジム・トンプソン社のクリエイティブディレクターを務めています。

1966年にタイ・バンコクで生まれ、ロンドン大学では建築学を専攻、
その後、フィレンツェでテキスタイルを、英キングストン大学にて家具・プロダクトデザインを習得。

卒業後はロンドンで家具デザインのスタジオを構えると同時に、国際的なコンペティションで次々と賞を受賞するなど、
デザイナーとしてのキャリアを華々しくスタートさせます。

ちょうどそんな時期、インテリアデザインコンサルタントとして携わったプロジェクトがジム・トンプソン社のもので、
展示会の家具・デザイン・ブランディング・マーケティングをコンサルタントとして統括するポジションに従事しました。

2013年からはジム・トンプソン社のホームファニシング部門のクリエイティブディレクターに就任しますが、
バホリヨディンは、自らをテキスタイルデザイナーとは考えていません。
多くの優れたデザイナーがそうであったように、自分が受けた(または見る側に与えたい)インスピレーションを
どう表現するかに、特定の媒体を必要とはしていないからです。
つまり、重要なのはどのようにファブリックが使われるのかという最終スキームを把握すること。

Instagram@jimthompsonfabrics

2016年の来日インタビューでも、デザインすることについてこのように語っています。
「家具からインテリア、商業施設のデザインやパーティ、テーブルウェアまでさまざまな手段をとおして
デザインを創造することの変化と実験は、とてもエキサイティングな作業なんだよ!」

そんなバホリヨディンのデザインはタイの精神性と西洋のエッセンスを融合させたリッチで上品なデザインが魅力。
それはまるでジム・トンプソンが現代に甦ったような感動を覚えます。
 
2014年「Arun」
熱帯性気候のタイでは雨季になると、ひと月の半分が雨になります。
ひとたびスコールが来れば人々はそれぞれの家屋に戻り、動物たちは大きく茂った木陰に身を潜ませ、
人も動物たちもただ 熱帯雨林に降り注ぐ雨の音と雷の轟きに耳を澄ませる静寂の世界。

そこには自然への畏敬、仏教における調和の世界が生まれます。


2017年『Floriental』コレクション                2012年『Spotlight』コレクション

やがて長く静かな雨季が明ければ、喜びの収穫期が訪れます。
絢爛の仏教寺院や宮廷に供えられる色とりどりの果実に、色鮮やかな絹で着飾られた仏僧や仏像たち。
市街には色が溢れていたことでしょう。
そんな陰と陽が織りなす伝統の中に生きる、色やモチーフを大胆に取り入れ、
常にその時代にフィットした絶妙なバランスで見事なデザインに仕上げるのがバホリヨディンの流儀。
それはかつてトンプソンがタイを訪れ初めて目にした光景の感動をそのまま、現在に再現させたかのようです。

 
2017年『Floriental』コレクション

そんなバホリヨディン率いる2018年新作コレクションは、『EVERY COLOUR UNDER THE SUN』。
タイシルク商会でシルクの販売を始めてから60周年という節目の年にちなんで、改めてシルクの美しさを再認識し、
これまで以上にジム・トンプソン氏への敬意を込めたコレクションに仕上がっているのだそう。

 
『EVERY COLOUR UNDER THE SUN』コレクション    『Bardo』コレクション「Sagano」

そして2018年の新作で注目すべきはベルギーの素晴らしいデザイナーであり、「色の魔術師」との異名をもつ
Gert Voorjans(ガート・ボージャン)とのコラボレート作品!
これまでのジム・トンプソンのデザインにはなかったような新たな世界観を展開しています。


Instagram@jimthompsonfabricsより

同郷のファッションブランド、ドリス・ヴァン・ノッテンの旗艦店のデザインを手掛けるなど、
インテリアデザイナーとして世界的に活躍するボージャンと、バホリヨディンは長年の友人だそう。
ボージャンのどこかゴシックでアーティスティックなデザインと、
オリエンタルなジム・トンプソンが織り成す化学反応をぜひお楽しみください。(※1)

 
「Melusine」3689/03             「Aeneas」3683/01

◆ No.9 Thompson ―Richard Smith リチャード・スミス―

続いては相棒とのツーショットが癒されるこちらの男性。
No.9 Thompson(ナンバーナイン・トンプソン) のクリエイティブディレクター
Richard Smith (リチャード・スミス)です。

2006年から発売されたジム・トンプソンのもう一つの顔、No.9は
2015年のイギリスのインテリア誌「House & Garden」のファブリックアワードを受賞するほか、
2016年には先日も開催されたばかりのパリ デコオフにてベストコレクションを受賞し、
現在世界から注目を集めるブランドのひとつに成長しています。

 
2014年『Butterfly House』コレクションより    No.9 Thompson HP 

リチャード・スミスのデザインの多くは彼のデッザンやハンドペイントから生み出されます。
イギリスのサセックスにある海を臨む開放的なスタジオで描かれる水彩のペイントは、
まるで乾いた海風を待ち受けるかのような、軽く柔らかなコットンやリネン地にプリントされます。

そのデザインのモチーフは南はアフリカ・ブラジルから、北はスカンジナビアンデザインまで、
世界中の古くから伝わる伝統的な文様や、文化からインスピレーションを得ています。

 
2015年「Dragon Dance」
こちらを見据えて威嚇するドラゴンは、リチャード・スミスの優しいタッチと色使いでどこか愛嬌のあるキャラクターに。


2016年に発表した『OBI』、『ORIGAMI』コレクションはその名のとおり日本がモチーフになっています。
川端に咲くアヤメをデザインしたこちらの「Water Garden」は、尾形光琳の「八橋図屏風」へのオマージュでしょうか。

そしてもうひとつ特筆すべきは、アウトドアコレクション(※2)の豊富さです。
ジム・トンプソン社ではかつてトンプソンの理念であったように、これまでにない生地の研究開発に力を入れていました。
特にタイというその気候柄、対候性とデザイン性優れる生地の開発はトンプソンが生きていれば、
情熱をかけて取り組んでいたテーマでしょう。

2012年の発売からこれまで5種類のコレクションが発売されています。

 
2015年『Fez outdoor』コレクション      2017年『Colourfield outdoor』コレクション

今季発売されるコレクションでもアウトドア仕様の生地はもちろん、地中海の色彩やローマの古代遺産からのモチーフを
デザインに取り入れた爽やかな2つのコレクションが発表されます。
早くも今年の夏が待ち遠しくなるような、リゾート風のコーディネーションにぴったりなコレクションとなりそうですね。

 
2018年『Aegeus』コレクション

2018年『Surf’s Up outdoor』コレクション
さて、ジム・トンプソンの意思を引き継ぎつつ、現在の彼らにしかできない手法で、新しい”ジム・トンプソン”の一面を
展開しているウー・バホリヨディンとリチャード・スミス。
トンプソンが生きていたらこの2人のデザイナーをどう評するでしょうか。
なかなか面白いことをやっているじゃないか! そう笑顔で答えてくれるはずです。
過去そして新しい挑戦へと、60周年を超えてますます目が離せないジム・トンプソンに、どうぞご期待ください!


「わしも一緒に作りたい・・・」

 

※1 ジム・トンプソン、ナンバーナイン・トンプソン2018年コレクションは日本未発売です。
発売時期についてはHPにてご確認下さい。
※2 ここでご紹介したアウトドア生地とは組成における対候性を指しており、
撥水効果についてはその範囲でありません。

【The Story】vol.1 ウィリアム・モリス
【The Story】vol.2 ニナ・キャンベル
【The Story】vol.3 マシュー・ウィリアムソン
【The Story】vol.4 パオラ・ナヴォーネ(前編)
【The Story】vol.4 パオラ・ナヴォーネ(後編)
【The Story】vol.5 ジム・トンプソン(前編)

【The Story】vol.5 ジム・トンプソン(前編)

2018.02.01 / tokyo

昨年9月より6回にわたり毎回ひとりの人物を取り上げ、ブランドにまつわるストーリーを
東京・大阪・名古屋のショールームブログよりリレー形式でお届けしています。

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【The Story】第5回目は、タイシルクの代名詞ともいえる“Jim Thompson (ジム・トンプソン)”から、
William Morris (モリス)と並んでファブリックの歴史に名を残す偉人の人生と、
現在のブランドを支える二人の若きクリエイターたちのお話。
今回は前編、ジム・トンプソンその人をご紹介します。

◆JIM THOMPSON ジム・トンプソン


タイへ旅行に行かれた方なら、一度ならずとこのブランドの名前を耳にした事があるでしょう。
ジム・トンプソンの美しいシルクのネクタイやスカーフはタイ土産の定番ですし、
建築家でもあったトンプソンがバンコクに建てたジム・トンプソン・ハウス(現在はミュージアム)を、
ツアーの工程で訪れた方も多いのではないでしょうか。


ジム・トンプソン(本名:James Harrison Willson Thompson)は1906年アメリカの裕福な家庭で生まれました。
プリンストン大学にて建築を学んだのち、新進気鋭の建築家としてNYを拠点に活躍します。
トンプソンは当時より関心を持っていたバレエのステージデザインや衣装の仕事をきっかけに、
インテリアデザイン、ファッション、ショービジネス、アート、メディアの世界での人脈を増やしていきます。

そんな順風満帆に思えた矢先、第二次世界大戦が勃発。
トンプソンは志願兵として入隊。現在のCIAの前身であるOSSに所属しタイ潜入指令の任にあたります。

このタイの地がトンプソンの人生を大きく転換させる舞台となりました。


悠然と流れるチャオプラヤ河、うっそうと茂るジャングルの奥地に静かにそびえる古代の仏塔や寺院たち。
そして力強くも、繊細な彫刻が施される美しいクメール美術の数々。
トンプソンは一目でこの地に魅了されました。
終戦後、彼は建築家としてバンコクの老舗ホテル、
オリエンタルホテル(現:マンダリン・オリエンタル・バンコク)の再建に尽力します。


 (トンプソンが商談で使用していたオリエンタルホテル内の「オーサーズ・ラウンジ」。
 明るく開放的な空間にジム・トンプソン社の張地で仕立てたコロニアルスタイルのインテリアがよく映えます。)

この時出会ったのが、衰退の一途を辿っていたタイシルクでした。

20世紀初頭に入るとタイの人々の生活様式の変化や外国からの安い絹織物などの流入を受け、
トンプソンが訪れた当時、バンコクではわずか数軒の家族が絹織物生産を続けていたのみと言われています。


トンプソンのタイの伝統文化・美術への敬意が、クメールの女神を微笑ませたのか
このシルクと出会ってわずか5年で、彼はタイシルクの国際的な地位を確立していきます。


1947年。トンプソンは早速、この魔法のように美しいシルクの見本を抱えて、NYに舞い戻ります。
エメラルドグリーンとマゼンダ、ターコイズブルーとショッキングピンクなど、
エキゾチックで魅惑的な色の組合せは、トンプソンの狙い通りNYの人々を魅了していきました。
NYで築いた人脈を通してタイシルクの評判はたちまち広がり、
ファッションの権威でもあるヴォーグ誌の当時の編集長エドナ・ウルマン・チェイスの称賛を勝ち取ることとなります。

翌年、トンプソンは「タイシルク商会」を設立。
1951年にはまるで成功の道が用意されていたかのように、
シャム国(現:タイ王国)を舞台にしたブロードウェイミュージカル「王様と私」が初演を迎え、
衣装提供をしたタイシルク商会は、ミュージカルの大ヒットと共に一躍タイシルクの名を世界に広めました。

ジム・トンプソンがシルク王といわれる所以は、
タイシルクに着目し世界一流のブランドに登りつめたデザイナーとしてのセンス、
そして養蚕から紡績、織りの作業と伝統的な人の手による技と西洋の技術的革新を融合させ、
地域産業として復興させた実業家としての手腕によるところが大きいでしょう。


現在でもその手法は変わりません。
数千もの家族経営の農場の協力と、自然の中の広大な敷地で
農場・工場・デザインスタジオ・そして研究開発、全ての工程を自社で手掛けています。
その規模はなんと445ヘクタール以上!
ここまで一貫した生産を行っているのは、世界でもジム・トンプソン社だけと言われています。

それは徹底した品質管理、全てのプロセスに必要な専門知識を統合してこれまでに無いファブリックを開発すること、
そして、地元の農家の伝統的な生計手段、文化、尊厳を維持することを目的としているからです。

トンプソンは西洋のファッションやインテリアにも使いやすいコンテンポラリーなデザインや配色を心掛け、
色落ちしない工夫や最新のプリントを技術を導入することで、今までにないタイシルクを開発することに成功しました。
それと共にタイの伝統的絵画やクメール美術に残された優美な柄や色使いを積極的に取り入れています。

妥協なき美の追究とタイの人々と自然との共生は、彼の揺るぎなき信念といえましょう。

さて事業の拡大と共に日々多忙を極めるトンプソンでしたが、
休日の趣味はもっぱら古い寺院を散策することでした。
同様に古美術品の収集家でもあった彼は、自宅にも国宝級の美術品を飾っていたそうですが、
「タイの物はタイに」という思想から、収集したものは全てタイ政府に引き渡すよう遺言に残しています。
タイの芸術を心から楽しみ、敬愛していたことが伺えるエピソードですね。

そんなコレクションの中でも特にお気に入りの絵画がありました。

「Weaving Scene」
生地を織る工程を描いたこの絵は長い間、ジム・トンプソン社のシンボルデザインとして使われてきました。
ここに描かれているのは、まさにトンプソンの夢見た桃源郷そのもの。
かつて戦争の、破壊の最前線にいた彼は、伝統が守られていく事の難しさと尊さを、
その身をもって知っていたことでしょう。
トンプソンが中世のこの風景・文化が復興したことの喜びと、継承していかなければならない矜持をもって
この絵を眺めていたことは想像に難くありません。

さて、その後も映画「ベン・ハー」などハリウッドへの衣装提供や、
タイ王国への貢献を讃えた「白象勲章」の授与、インテリアファブリックへの進出等、
精力的に活動の場を広げていきます。

ところが、その活躍にある日突然ピリオドが打たれます。

1967年3月26日。
イースター休暇でマレーシアの高原へ友人たちと訪れていたトンプソンは、
ディナーまでの空き時間にふらっと散歩へ出かけ、そのまま消息を絶ったのです。

彼はなぜ、そしてどこへ消えてしまったのでしょう。

CIAとして活動していた経歴から政治的陰謀による誘拐説、先住民による捕縛説、
密林でトラに襲われた説、自作自演説・・・等
密林に消えたミステリーとして、消息を絶った当時、莫大な懸賞金と共にさまざまな憶測が瞬く間に世界中に広まりました。

なんてドラマチックでミステリアスな人生!

この物語に魅了されたひとりに小説家松本清張がいます。
彼はトンプソンが失踪したキャメロンハイランドを舞台に、
トンプソンをモデルにしたアメリカ人実業家の失踪劇と日本で起きた殺人事件を
巧妙に絡めた推理小説「熱い絹」を執筆しました。
主人公と共に事件の真相を追いながら、トンプソンが過ごした当時のタイ、マレーシアに広がる
密林や発展途上の街の風景と、失踪における清張の推論を伺い知ることが出来ます。
興味のある方はぜひこちらも読んでみては。

まるでアンリ・ルソーの「夢」のように、
密林に潜む更なる美しい「何か」に導かれるかのように姿を消したジム・トンプソンは、
今でもその美を追い続けているのかもしれませんね。

 

さてそれから45年―。
2012年ジム・トンプソン社は新しく発売する壁紙コレクションの第1作目としてこちらのデザインを発表しました。

「Jim’s Dream」

トンプソンが愛した「Weaving Scean」のモチーフを再構成し、
年月を重ねた壁画調のデザインが現代のモダンなインテリアにも馴染む上品で美しい作品のひとつ。
これは、ブランドが若きクリエイターたちによってトンプソンの意思が引継がれ、
新しい段階に突入したことを物語っていると言えます。

トンプソンなき現在、彼が築き上げたタイシルク商会は現在2人のデザイナーが
クリエイティブディレクターとしてその手腕を振るっています。

次回はこのふたりについてご紹介していきましょう。

 

【The Story】vol.1 ウィリアム・モリス
【The Story】vol.2 ニナ・キャンベル
【The Story】vol.3 マシュー・ウィリアムソン
【The Story】vol.4 パオラ・ナヴォーネ(前編)
【The Story】vol.4 パオラ・ナヴォーネ(後編)